IDEAFUL -ad from the world-

上海在住の広告クリエイターが、嫉妬に値する世界の広告やアイデアを長らく紹介し続けています。(2012年〜)

映画「KONG」をPRする、突如ロサンゼルスに現れた巨大な足跡広告

 

映画「KONG: Skull Island」の公開を前に、

ロサンゼルスのあちこちに”キングコングの足跡”が出現する

というスケール大な広告が展開されているようです。

 

こちらがロサンゼルスのビーチに現れた、その足跡の様子。

 

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人の大きさと比較して、スケールの大きさが伝わってくるかと思います。

何よりクオリティも高いですよね。 

 

そして次が、

とあるロサンゼルス市内の駐車場。

 

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繁華街の中にある広場。

 

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都市部になると、地面に穴を開けられないためか、

錯視ステッカーを使っただけで、クオリティーがイマイチなのはご愛嬌ですが…

 

続いて、街を見下ろす谷。

 

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これはいい感じですよね。映画のワンシーンみたいです。

 

観光名所としておなじみの、ハリウッドにも現れたようです。

 

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試みとしてはシンプルでいて、とても強いと感じます。

モノとしてのリーチ効率は低くても、PR効果は絶大ですよね。

(なんてったって、遠く離れた日本でもこうやって記事化されてるのですから)

 

KONGのような実在しない生物を、

あたかも実在しているかのように現実世界に持ち込むと、

作品の世界観を瞬時に感じられますし、映画の宣伝において

「現実化」というアプローチは極めて有効だと思います。

 

日本だとどこまでできるのだろう、と余計な心配をしてしまいますが、

非常にアメリカらしいユニークな施策なのでした。

 

国際女性デーに、NYの象徴チャージング・ブル像の前に設置された”勇敢過ぎる少女像”

  • Company: State Street Global Adivisors
  • Agency: McCann, New York
  • Country: USA

 

ニューヨークのブロード街に設置された、

獰猛すぎる雄牛の像、「チャージング・ブル」をご存知でしょうか?

 

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金融用語で「ブル・マーケット」という言葉があり、

それは繁栄市況を指し、景気が良いという意味を持っています。

 

1989年に突然ゲリラアートとして設置されたこの像は、

少し場所は変わったものの、今も尚設置されており、

ニューヨークの金融業界のシンボルとして君臨し続けています。

 

そんな像の前に、国際女性デーの前日

新たな像がゲリラ的に設置されたと話題になっています。

 

それがこの「勇敢すぎる少女像」です。

 

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獰猛な牛に立ち向かうべく、

仁王立ちをして、ぎろりと睨みつける少女像。

 

これはいったいだれの仕業なのかというと、

ニューヨークの金融会社State Street Global Advisorsによるものでした。

 

「企業の役員の中における女性比率の低さや、

特に金融業界での性別によるペイギャップなど、未だにはびこる女性差別

国際女性デーを機にそういった問題への注目を集めたいと考えた」と

同社のアン・マクナリーさんは語っています。

 

一緒に仕掛けたのは、ニューヨークのMcCann。

国際女性デーというと世界中で様々な試みが行われますが、

非常にシンプルでいて、メッセージ性の強いこのアクションは、

世界中のニュースとなって、注目を集めているようです。

 

ちなみにこの像、ゲリラ設置という体裁をとっていますが、

ニューヨーク市にはしっかり許可を取ったとのこと。

どれだけの期間設置できるかは、これからの判断になるということです。

長く設置されることを切に願いたいと思います。

 

米バーガーキングのクレームを恐れぬ、攻めすぎてる”炎上ポスター”

  • Company: Burger King
  • Agency: David, Miami
  • Country: USA

 

1954年のオープンの米Burger King。

炭火焼パティは想像しただけでよだれがじゅるりと出てきてしまう

Burger Kingのアイコン商品です。

 

店内で本気で炭火焼をしているがあまり、

実は他のファストフードチェーンに比べて火災事件が多いことも有名で、

たびたび全米各地で事件が勃発していました。

 

そんな状況を受けて、

同社は積み重なったマイナスイメージをプラスに転じるべく、

なんと過去の火事が起きた店舗の状況写真を

そのままポスターにしてしまうという大英断!?に出たのでした。

 

それがこれ。

 

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隅に置かれた小さなテロップで

いつどこで起きた火災なのかが詳細に書かれています。

これ、ほんとの火災の現場写真なのです。

 

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日本で同じことをやれば、

「被害者の傷に塩を塗るような試みだ!」と

糾弾されるであろうこのポスター。

 

さすがアメリカとでも言いましょうか。

Burger Kingの攻め具合、やはり半端ないのでした。

 

どんな過去も消せる、中古車販売メーカーSTARMARKの凄すぎる清掃テクニック

  • Company: STARMARK
  • Agency: TBWA & BBDO
  • Country: Denmark

 

中古車を購入するとき、

消費者が最も気にするのが前オーナーの存在です。

 

「前のオーナーってどんな人だったんだろう?」

「いったいどんな使い方されてたのかな?」

 

中古車に残されたかすかな形跡から、

邪推してしまったりするものです。

 

デンマークの中古車販売メーカーSTARMARKは、

そんな消費者の不安を取り除ける、圧倒的な清掃スキルで

どんな中古車も新品同様にしてしまうというのが売り。

その清掃力をアピールする為に、とある実験を行いました。

 

まず3台の車を用意し、様々な用途で使用しました。

 

①爆音で音楽を演奏する

 

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②セックスする

 

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③大量にエビを敷き詰める

 

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そんな使い方する人いないだろ!ってところはご愛嬌。

 

その後、いわゆる”使用済み”の車を

STARMRK自慢のスタッフが清掃し始めました。

 

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すっかり車が綺麗になったところでやってきたのが、

デンマークCSI(科学捜査班)の権威、Jorn Moos氏。

 

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このMoos氏に課せられたミッションは、

「車の中で過去に何が行われていたかを当てよ」というもの。

 

ベテラン調査班のMoos氏は、

「37年間警察組織で調査をしていた。」と自信満々のご様子です。

 

そして、早速調査を開始しました。

果たして見ごと、的中させることはできるのでしょうか?

 

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Moos氏が出した答えは…

 

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  1. ふたつの指紋を発見。しかし、結果は分からず。
  2. おそらく生物的な痕跡あり。しかし、結果分からず。
  3. 剛毛のかすがあり。しかし、結果分からず。

 

なんと…

すべて当てることができませんでした。

 

さきほどの自信はどこへやら。

すっかり落ち込んでいる様子のMoos氏。

見事、STARMARK清掃チームの勝利、ということに相成りました。

 

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WHAT EVER HAPPENED, DIDN'T HAPPEN.

「何が起きようが、起きまいが。」

 

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どんな中古車も、新品同様にしてしまう。

圧倒的な清掃スキルを誇る、

STARMARKの非常に秀逸なプロモーションのご紹介でした。

 

 

バーガーキングがバレンタインデーに限定販売した、”大人のおもちゃ”付きミールセット

  • Company: Burger King
  • Agency: Leo Burnett, Israel
  • Country: Israel

 

様々な奇想天外施策でいつもマーケターを驚かせてくれるBurger King。

今回はイスラエルから、おもしろ施策のニュースが届きました。

 

その名も…「Adults Meal」

 

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 なんとも怪しい出で立ちです…

これを家に持ち帰ったら家族に不審がられること間違い無しですね。

 

なお、このセットの中身は次の通りです。

・ワッパー×2

・フレンチフライ×2

・ビール×2

・ロマンチックな大人のおもちゃ×1

 

このミールセットが販売されたのは、

バレンタインデーの当日18時以降だけだそうです。

 

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まるでエイプリルフールの嘘のような本当の話ですが、

 話題作りに事欠かないバーガーキングイズムを感じる事例なのでした。

 

CMもアダルティーな雰囲気に仕上がっていて面白いです。

ぜひ合わせてご覧ください。

 

 

14,000人を超えるBooking.comの社員自ら旅行して撮影した、1年がかりのドキュメンタリーCM

  • Company: Booking.com
  • Agency: Cloudfactory, Amsterdam
  • Country: Netherlands

 

世界最大級の宿泊予約サイト「Booking.com」のために、

オランダのクリエイティブスタジオが制作した

キャンペーンをご紹介します。

 

 キャンペーンの名は…

「One Mission」(ひとつのミッション)。

 

イデアは極めてシンプルです。

旅行の際にお世話になるサービスなだけに、

社員もまた旅行好きなのだろうと推察するのですが、

「じゃあ社員に旅行行かせて、映像を撮ってきてもらおう!」

というミッションを与えちゃったという訳。

 

この撮影には、1年かけて

約14,000人の社員が参加したようです。  

 

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訪れた国はなんと190カ国。

地球上の国、ほぼ全部です。

 

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社員一人一人が、実際にBooking.comを使って

世界 のあちこちを体験し、その様子を

GoProを使って詳細に押さえてこさせたのでした。

 

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映像はプロによるそれではありませんが、

旅情に溢れたリアルなものに仕上がっており、

旅をする楽しさを教えてくれるものばかりです。

 

WE TRAVEL EVERYWHERE,

私たちは世界中を旅する、

 

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TO HELP YOU TRAVEL ANYWHERE.

あなたがどこにでも旅できるように。

 

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THIS FILM SHOT BY THE EMPLOYEES OF BOOKING.COM.

この映像は、Booking.comの社員たちによって撮影されました。

 

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なんてことないつなぎ合わせの映像ですが、

社員自ら旅行を楽しみ、その様子をドキュメンタリータッチで描いた、

”作られていない”クリエイティブには、

映像そのもの以上に物語る強さがあると感じました。

 

「現実は小説より奇なり」ではないですが、

事実を積み上げるというのは昨今のクリエイティブにおいて

他社と差別化を図る上でも凄く重要なことだと思います。

 

 

24時間で2億回再生された、映画「Rings」の背筋が凍えるバイラルムービー

  • Company: Paramount Pictures
  • Agency: Thinkmodo, New York
  • Country: USA

 

 

「24時間以内で2億回再生」

この数値がいかに凄いかというのは、

広告・クリエーティブ業界に身を置くものなら、

誰でも肌身に感じるところでしょう。

 

ニューヨークに本拠地を置く、

バイラルマーケティングエージェンシー「Thinkmodo」が制作した

映画「Rings」のためのバイラルムービーが話題です。

 

 

とある家電量販店(Best Buy)で行われたこの施策。

テレビ売り場で、事件が起こります。

 

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一見、何の変哲もないいつも通りのテレビ売り場ですが、

後ろのモニターにRingsのワンシーンが映し出されると…

 

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ひとつのテレビから、なんとリアル貞子が登場!

  

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その場に居合わせたお客さんたちは、騒然!

(そりゃそうですよね。笑)

 

この表情です。

 

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とてもシンプルなドッキリなのですが、

映画「Rings」の最大の見せ場である”テレビから貞子登場”を

地でやってしまう、というところがポイント。

驚いている人たちがとてもチャーミングに見えますよね。

読後感が良いです。

 

ちなみにこの動画を制作したThinkmodoは、

数々の映画コンテンツのバイラルムービーを作っていて、

基本的には、劇中のワンシーンを

完全再現したスタントで話題化させたものが多いです。

ぜひあわせてその他の作品もみてみてください。

 

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