IDEAFUL -ad from the world-

上海在住の広告クリエイターが、嫉妬に値する世界の広告やアイデアを長らく紹介し続けています。(2012年〜)

ホラーフェスが行った、まるでホラー映画のような招待状プロモーション

  • Company: Elmsta 3000 HORROR FES
  • Agency: Saatchi & Saatchi, Stockholm
  • Country: Sweden

 

久々の更新です。

スウェーデンのホラーフェス「Elmsta 3000」が行った、

まるでホラー映画の1シーンのようなDMプロモーションをご紹介します。 

 

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今年のフェスティバルテーマは「HOME INVASION」(家庭への侵入)

家に何者かが忍び込んでくるタイプのホラー、と訳せるでしょうか。

 

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(どのようにターゲットをセレクトしたのかは不明ですが)

見知らぬナンバーから、SMSを送りつけるところから、

このプロモーションはスタートします。

 

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そしてそのメールには、”ある家の外観写真”がランダムで添付されていました。

 

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「だれ?」

「この写真、なに?」

「??」

 

当然なんのことか分からないメールの受け手たちは、

次々に「?」レスポンスを返信。

もし自分の身に同じことが起こったらと考えると、

当然気味が悪いですよね。

 

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そんなレスポンスに対して、さらにメールが届きます。

 

「We are waitng for you. In your living room.」

私たちはあなたのリビングで待っていますよ。

 

うーん。。。

ますます意味不明です。

 

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不可思議に思ったメールの受け手たちは、

次々とGoogleでメールの送り主の番号を検索し始めます。

 

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すると、こんなリスティング広告が現れます。

 

「Now we're in your kitchen.」

今、あなたのキッチンにいます。

 

なんだか背筋がぞくっとしてきますよね。

見知らぬ何者かが自分の身の近くにいるような、

とっても気味の悪い感じがしてきます。

 

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リスティング広告をクリックすると、ここでやっと種が明かされます。

 

フェスは5/25の12時から。参加申し込みをするためには、

「I AM DEAD MEAT」とテキストメールをお送りください。

 

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「I am dead meat.」とテキストメールを送ると、

I know. It will be fun.」と返信メールが届き、

無事フェスに参加申し込みが完了します。

 

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「ははは!」

Googleで検索するまで、ほんとにびっくりしたよ。」

「とっても素晴らしい仕事だ。」

 

フェスの告知であることを知ったひとたちは、

次々とこの体験をSNSに書き込んだそうです。

 

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平たく言えば、ただの「フェスへの招待状」というコミュニケーションなのですが、

PANIC(驚き)⇒FEAR(恐怖)⇒FUN(楽しい)

というコミュニケーションのステップを経て、

体験をより濃く、印象深いものにしている点が素晴らしいと思います。

また、「ホラーフェス」という商材の文脈に添った

プロモーションであることも完成度が高いですね。

 

とはいえ、日本ではなかなか

このようなゲリラ的な取り組み、難しそうですが・・・。

下記、プレゼンビデオも是非ご覧ください。