IDEAFUL -ad from the world-

上海在住の広告クリエイターが、嫉妬に値する世界の広告やアイデアを長らく紹介し続けています。(2012年〜)

アイルトン・セナを現代に蘇えらせた、ホンダの感動のプロジェクト

  • Company: HONDA
  • Agency: Dentsu, Tokyo
  • Country: Japan

 

これは悔しいですが、大変すばらしい仕事です。

ホンダの「インターナビ」というカーナビプロモーションは、

過去にも多数有名な事例がありますが、今回はその新作になります。

 

【参考】

INTERNAVI REALIZATION

CONNECTING LIFELINES

 

f:id:onaken:20130726080800p:plain

 

その名も「Ayrton Senna 1989」

かつてF1ホンダチームの伝説的ドライバーであり、

不慮のレース事故によって亡くなられたアイルトン・セナこそが

今回のコミュニケーションの主役。

 

f:id:onaken:20130726081022p:plain

 

「テレメントリーシステム」と呼ばれる、ホンダの技術。

アクセルやエンジンの動きを正確に記録し、アナライズする技術のようです。

 

f:id:onaken:20130726081113p:plain

 

実は、セナが一世を風靡した1980年代から、

この技術はF1の世界に導入されていたようです。

 

f:id:onaken:20130726081201p:plain

 

1989年にセナが叩き出した世界最速ラップ。

 

f:id:onaken:20130726081239p:plain

f:id:onaken:20130726081351p:plain

 

その当時の走行記録を使って、セナを現代に蘇らせる。

そんなF1ファンにとっては夢のような話を現実にしてしまうのが、

今回のプロジェクトなのでした。

 

f:id:onaken:20130726081447p:plain

f:id:onaken:20130726081458p:plain

f:id:onaken:20130726081510p:plain

 

場所はおそらく鈴鹿サーキットでしょうか。

ハイテク技術を駆使して、暗闇のサーキットにセナの走行音が鳴り響き、

間断なく続く一筋の光が、まるで車となってサーキットを駆け抜けます。

まるでセナが現代に蘇ったかのように。

 

f:id:onaken:20130726081724p:plain

 

恍惚の表情でサーキットを見つめるファン。

往年のファンからすると、言葉にできない感動があったのでしょう。

 

f:id:onaken:20130726081826p:plain

f:id:onaken:20130726081800p:plain

f:id:onaken:20130726081811p:plain

 

現代では、「インターナビ」を使って、

かつてセナを支えた「テレメントリーシステム」のサービスを

誰でも享受することができます、というラストカット。

 

「人はストーリーによって、心を動かされる」というのが、

最近の広告界で声高に叫ばれていますが、

まさにそれを体言しているプロジェクトなのではないでしょうか。

 

これを立案し、この完成度で実施しきった制作企画チームに

素直に最大限の敬意を表すとともに、同じ広告屋として嫉妬します。

大変感動的で素晴らしい仕事。良い刺激をいただけました。

 

 

●公式サイト

Ayrton Senna 1989

 

●プレゼンビデオ