母の日に”空の上”で行われた、思わず泣けてしまう感動のスタント
- Company: Elecrolux
- Agency: F/Nazca Saatchi & Saatchi, Brazil
- Country: Brazil
ドラマ仕立てのElectroluxのスタントが
とても素晴らしかったので、ご紹介したいと思います。
物語の主役は、ブラジル・サンパウロに住む、
高校を卒業したての女性、ラティシア。
見事奨学金を得られたことで、
サンパウロから離れた大学へと進学することになり、
その様子をドキュメンタリー番組にする、
という名目でカメラが彼女を追いかけることに。
「ずっと一緒に暮らしてきた母親と離れることが何よりも辛い」と、
彼女はインタビュワーにそう語りました。
初めての一人暮らし、希望と不安が入り交じる中で考えることは、
きっと世界共通なのでしょう。
そんな彼女が、いよいよ旅立つという日。
その日は奇しくも5月11日、「母の日」でした。
母親はひとりで家に帰るのが寂しいという理由から、
あえて見送ること無く、娘を旅立たせます。
そして、いよいよ搭乗完了。
暮らし慣れたサンパウロから離れて、レティシアの新しい生活が始まります。
すると・・・
突然、思いもしなかった機内アナウンスが流れてきました。
「レティシア、あなたのお母さんからメッセージを預かっています」
なんとレティシアの母親からのメッセージが、
機内のモニターを通じて流れ始めたのでした。
やぁ、リー。
どうだい?あなたが離れている間も、
私はずっとあなたを応援しているよ。
今日は初めて、ひとりで過ごす母の日だね
でも心配しないで。あなたが娘であるだけで、
それは何よりも素晴らしいギフトなのだから。
晩ご飯を楽しんで。愛を込めて作ったわ。
母親からの温かなサプライズメッセージは、
レティシアの心に深く突き刺さり、
それまでのこわばっていた表情は崩れて、
弾けるような笑顔に包まれていきます。
メッセージムービーの後に出てきたのは、
世界に一つだけの母親が愛を込めて作った、機内食でした。
その食事が、レティシアを強く勇気づけたことは言うまでもありません。
「母親は、母の日でさえ、あなたのことを思っている。」
そんなコピーで、この物語は締めくくられます。
Electroluxは、生活家電のメーカーですが、
具体的な商品やスペックなどの情報は、
この映像の中にほとんど出てきません。
(強いて言うならば、母親の調理シーンぐらいです)
しかし、あらゆる商品を通して、母親を、家族の幸せを支えたいという
ブランドのメッセージは、ひしひしと伝わってきます。
エンゲージメントとセールスの連関をつまびらかにすることは、
目下の代理店の課題なわけですが、
このような素晴らしいコミュニケーションには
数字で表せない大きな意味がある。
そう信じさせてくれる、とてもハートウォーミングで
気持ちの良い仕事だと思いました。