IDEAFUL -ad from the world-

上海在住の広告クリエイターが、嫉妬に値する世界の広告やアイデアを長らく紹介し続けています。(2012年〜)

天気や出来事に応じて変化する、NETFLIXのリアルタイム型デジタルサイネージ

  • Company: NETFLIX
  • Agency: Ogilvy & Mather, Paris
  • Country: France

 

最近、リアルタイム系ADの事例をよく取り上げていますが、

今度はフランスより、デジタルサイネージを生かした、

NETFLIXの好事例をご紹介します。

 

そもそもNETFLIX自体、あまり日本には

なじみの無いサービスですが、いわゆる動画配信サービスで、

TSUTAYA DISCASやHuluに感覚は近いものだとお考えください。

 

そんなNETFLIXがフランスでのローンチをするにあたり、

展開されたのが、今回ご紹介する”リアルタイム型デジタルサイネージ”です。

 

 ちなみに、こんな感じのものを100カ所程度で展開したようです。

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これだけ見ると、「ただのデジタルサイネージじゃないの?」と

言いたくなると思いますが、裏側が実は面白いことになっています。

 

まず、このサイネージは、

実は100種類ものパターンが内蔵されています。

 

上記の通り、ループするGifアニメ形式になっているので、

容量を押さえることで、それだけのパターンを

作り出すことができたと考えられます。

 

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さらには、動画配信サービスという

コンテンツホルダーのアドバンテージを生かして、

世界中の有名コンテンツ動画を自由に使えるということも、

これだけの数を取り揃えられた理由と言えるでしょう。

 

そんな豊富な動画データを生かすべく、

NETFLIXは「リアルタイムに起きた出来事や事象にあわせて、

掲出する内容を変化させる」ということにチャレンジしました。

 

例えば、ある国際スポーツ大会でフランスが負けたときは・・・

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ある有名映画より、ガッカリした俳優の映像にチェンジ。

まるで国民の感情を表したかのような、そんな表現にすら見えてきます。

 

また、外が大雨のときには・・・

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あの映画「300」の有名シーンより、

俳優が雨風に吹かれている映像にチェンジ するという仕組みになっていました。

 

おおよそ、約2時間で全てのサイネージ の映像が

切り替わるような仕掛けになっているようです。

 

予定調和な広告よりも、

こうしたリアルタイム性が加わることによって、

人々の注目度は高まると思います、

何より共感を呼び易くなる点において、

有効なのではないかなと個人的には感じていたりします。

 

多様化するリアルタイム広告。

この流れは、しばらく続きそうですね。