IDEAFUL -ad from the world-

上海在住の広告クリエイターが、嫉妬に値する世界の広告やアイデアを長らく紹介し続けています。(2012年〜)

イタリアのエアラインによる、世界にひとつだけの”自分専用”機内誌

  • Company: TAM Airlines
  • Agency: FCB, Millan
  • Country: Italy

 

イタリアのTAM Airlinesが、

顧客満足度向上のためにてこ入れした

機内誌改善施策をご紹介いたします。

 

調査によると、そもそも機内誌に何が書かれていたかを覚えている人は11%以下、

更に飛行時間の3%しか読んでいないということが分かりました。

 

そんな注目度の低い機内誌を、どうすれば

乗客にとって魅力的なものに変えられるでしょうか?

 

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そんなお題のもとで誕生したのが、

この「OWNBOARD MAGAZINE」です。

 

なんとこの機内誌、

表紙のひとつひとつに乗客の顔写真が印刷されています。

一体これどうやっていると思いますか?

 

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その秘密は、ここにあります。

 

チケット購入時にFacebookアカウントを読み込ませることで、

TAM AIrlines側に乗客の情報を、事前にインプットさせる

仕組みになっていたというわけです。

 

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その結果、エアライン側は搭乗予定の顧客の趣味志向から、

好きなものや場所、友達までをも割り出すことが可能となりました。

 

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表紙だけではなく、雑誌の中身まで

お客さん一人ひとりにあった内容にカスタマイズされていたようです。

 

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例えば猫を飼っているイザベラさんの雑誌には、

「こんな猫もお好きでしょ?」ということで、

いろんな猫のグラビア写真が入ったページが用意されていました。

 

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機内に座り、雑誌を見つけたお客さんの反応はこの通り。

自分専用の機内誌に興味津々のご様子です。

 

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その結果、100%の乗客が機内誌を持ち帰り、

閲読時間も1,200%という、とてつもない成果を得たようです。

 

この雑誌を一体どれぐらいの部数作ったのかは謎ですが、

お客さんにとっては、きっと想い出に残る

ステキな経験となったに違いありません。

 

魅力が低下したメディアも、アイデア次第では再び輝くことが出来る。

そんなことに気づかせてくれた、好事例をご紹介させて頂きました。