IDEAFUL -ad from the world-

上海在住の広告クリエイターが、嫉妬に値する世界の広告やアイデアを長らく紹介し続けています。(2012年〜)

ハンバーガー食べたければ、マクドナルドへ行け!?バーガーキングの究極の「敵に塩を送る」大作戦!

  • Company: Burger King
  • Agency: David Buenos Aires
  • Country: Argentina

 

毎回話題になる、バーガーキングのプロモーション。

今回はアルゼンチンの事例をご紹介したいと思います。

 

2017年の11月10日、

アルゼンチン国内にある107店舗のバーガーキングが、

ワッパーの販売を中止したそうです。

 

一体、何故だと思いますか?

 

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「とにかく、マクドナルドに行ってほしいから。」

だそうです。

 

全く意味が分かりませんよね。笑

 

なぜ看板商品であるワッパーを販売せずに、

競合のマクドナルドに人を誘客する必要があるのでしょうか?

 

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「今日はワッパーを販売しておりません。マクドナルドへ行ってください。」

と毅然な態度で対応する店員さん。

 

それを聞き、冗談かと思ったお客さんたちが、

猛烈にクレームを入れ始めている様子にドキドキしてしまいます。

 

そりゃそうですよね。笑 なんでワッパーを買いにきたのに、

マクドナルドへ行け」なんて言われなきゃ行けないのか…

 

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実はこの日、マクドナルドは

ビッグマックのセールスの全てをチャリティーに寄付する”

というキャンペーンを展開していたのです。

 

それを知ったバーガーキングは、子どもたちの為に

最大のライバルであるマクドナルドに協力しようと、

ワッパーの販売を中止するという大決断をしたわけです。

 

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バーガーキングのキャラクターである王様も、マクドナルドに来店。

 

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ビッグマックを買って、このポーズです。

居合わせたマクドナルドのお客さんからは、あたたかい拍手を受け取ったようです。

 

なかなか勇気の必要なプロモーションですよね…

昨年紹介したの米のアウトドアブランドREIの事例もそうでしたが、

今の時代、ブランドが何を言うかよりも何を行うか、

というビヘイビアこそが消費者に見られていると思います。

 

adfromtheworld.hatenablog.com

 

そういう点では、宣伝部だけが

広告を司る時代は終わったのかもしれません。

経営判断に直結する、

太いコミュニケーションデザインを実現してみたいものです。