IDEAFUL -ad from the world-

上海在住の広告クリエイターが、嫉妬に値する世界の広告やアイデアを長らく紹介し続けています。(2012年〜)

家の外にはドラマのネタバレが!?ドイツの学生が考えた、秀逸過ぎるNetflixの仮想広告

  • Company: Netflix
  • Agency: Miami Ad School
  • Country: Germany

 

当ブログでは既に、コロナパンデミックの最中に生まれた、

世界の様々なコミュニケーション事例を紹介してきましたが、

今回ご紹介するのは、実際に実施されたものではありません。

 

ドイツのマイアミ広告学校に通う、

二人の学生が作ったNetflixの仮想広告になります。

しかし、本家のNetflixが最終的に声明を出すなど、

世界の広告クリエーティブ業界で

ちょっとしたバイラルが起きるほどの話題になっています。

 

何が一体そんなに凄いのでしょうか? 

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こちら、アイデアのキーとなる屋外広告の掲出イメージになります。

 

SPOILER:

Only two couplles say 'I do'.

And no, Kenny and Kelly aren't one of them.

 

ネタバレ:

ただ二つのカップルが「私はやる」そして「いいえ」と言う。

ケニーとケリーはそれらの一員では無い。

 

ドラマを見ていない人にはさっぱりの内容かと思いますが、

この広告、大切なドラマの筋書きをネタバレしちゃっているのです。

 

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他にも数々の人気ドラマのストーリーが暴かれていきました。

 

もしも大好きなドラマのネタバレ広告が

街中に溢れているとしたら…

確かに外出を控えて、家でドラマを見ることに

集中しようと思っちゃいませんか?

 

まさに嫉妬するほどの、Netflixファンのインサイトを鋭く突いた、

シンプルで強い、素晴らしいアイデアだと思いました。

 

ちなみにこの広告には、ティザーがあります。

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 SPOILER ALERT:

GATHERING SPACES

MIGHT CONTAIN THE ENDING

OF YOUR FAVOURITE SERIES.

 

ネタバレアラート:

人が集まる場所には、

あなたの大好きなドラマのエンディングが

掲出されているかもしれません。

 

ネタバレ広告が掲出される前に、事前にアラート広告を出し、

外出控えを促すと言う戦略になっていたわけです。

 

この素晴らし過ぎるアイデアを見た

世界中の広告・クリエーティブ関係者たちが、

次々とこの作品をシェアしていきました。

 

 

そして最終的には、本家のNetflixが登場する事態に。

 

 

学生の二人に対してアイデアは賞賛しつつも、

Netflixからは決してネタバレをすることはないと強調しました。

面白がって実際に広告として活用してくれれば、

さらにネットは盛り上がったでしょうが、ここでは大人の対応で、

華麗に交わして一連の盛り上がりは幕を閉じました。

  

↓こちらは同じく学生が作った、プレゼンテーションムービーになります。

わずか45秒程度ですが、非常によくまとまってるのであわせてご覧ください。

 

コロナ関連のコミュニケーションは割とシリアスなものが多かったり、

真面目なアプローチが多い中で、

こういったユーモア溢れるユニークな施策も、

ブランドによっては今後たくさん出てくるのかもしれません。

(不謹慎と思われるから方もいらっしゃるのもしれませんが・・・)

 

やはり毎日自粛ムードというのは心も体も疲れちゃいますし、

そういう点でも、筆者は個人的に大いにアリなアイデアだと思いました。