IDEAFUL -ad from the world-

上海在住の広告クリエイターが、嫉妬に値する世界の広告やアイデアを長らく紹介し続けています。(2012年〜)

「”違い”は強さだ。」ダイバーシティの大切さを訴える、ALL BLACKSのレインボーブラックシャツ

  • Company: AIG
  • Agency: TBWA\HAKUHODO, Tokyo
  • Country: Japan

 

以前当ブログで、AIGオールブラックスを起用した

バイラルムービー「#TackleTheRisk」をご紹介させて頂きましたが、

それに続く、新キャンペーンを是非ご紹介したいと思います。

 

adfromtheworld.hatenablog.com

 

その名も…

#DiversityIsStrength(違いは強さだ。)

です。

 

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オールブラックスといえば、真っ黒なシャツで有名なのですが、

こちらのシャツを引っ張ると虹色に見えるという仕掛けが施されています。

 

では、なぜこのようなシャツを作ったのでしょう?

コンセプトムービーを見ると、その答えが分かります。

 

百戦練磨のオールブラックスでも、立ち向かえないものがあると言います。

 

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それは「差別」です。

 

見えない巨大な敵と戦うためには、

巨大なチームが必要であると選手は呼びかけます。

 

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黒は、すべての色を混ぜ合わせたときに出来あがる色。

そしてダイバーシティの象徴であるレインボーは、

個性を多様な色で表現しているのが特徴です。

 

今回AIGは、そんな二つの要素を掛け合わせることで、

ダイバーシティの重要性を世の中に伝えられないか?と考え、

引っ張ると虹色に見えるシャツを開発したという訳です。

 

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社会の空気を巧みに掴み、商品である

オールブラックスにしか言えない・できないこと

実現したこちらのキャンペーン。

 

やはり必然性が見えるキャンペーンは強いなと、改めて感じた次第です。

「どうして」「なぜ」を突き詰めることで、

世の中に響くキャンペーンを考えたいですね。

 

ちなみにシャツが当たるキャンペーンもやってるそうです。

(普通に欲しいです、これ…)

#DiversityIsStrength

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w.youtube.com

割引きされた上にいい気分にもなれる、スーパー大手TESCOが始めた人にも海にも優しいエコバッグ

  • Company: TESCO
  • Agency: Grey
  • Country: Malaysia

 

本日ご紹介するのは、マレーシアのTESCOから。

(なにげにマレーシアの事例紹介は、これが初めてです)

 

その名も…

「Unforgettable Bag」(忘れることの無いバッグ)です。

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世界では毎年、約1兆個のプラスチック袋が生産されているようです。

 

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そして、そのほとんどが

わずか一度使用されただけで廃棄されてしまいます。

 

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使い捨てられた袋は海に大量に浮遊し…

魚が喉に詰まらせたり、

亀がくらげと勘違いして飲み込んでしまったり、

クジラがプランクトンと一緒に吸い込んでしまうなど、

動物たちへのリスクが社会問題化していました。

 

そこで開発されたのが、この「Unforgettable Bag」です。

 

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このエコバッグを使ってスーパーに買い物に行くと、

尾っぽについたバーコードを読み込むだけで、

ディスカウントされる仕組みになっています。

とっても合理的ですよね。

 

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特にリスクを抱える代表的な海洋動物たちが

印刷されたエコバッグは、全3種類存在します。

 

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エコバッグが使用されるたびに、

海の浮遊ゴミがなくなっていく仕組みのようです。

(詳しくは不明ですが…)

 

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毎日使えば、海の平和が戻ってくる。

そんなエコフレンドリーな、エコバッグなのでした。 

 

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正直なところを言うと、

この手のアイデアというのはよくあるのですが、

デザインが優れている点や、スーパー大手のTESCOが始めた、

という点が個人的には特筆すべき点だと感じています。

 

イデアをスモールなままで終わらせず、

育ててムーブメント化していくことこそ、

これからのクリエイターの腕の見せ所かもしれませんね。

 

 

仮眠専用ホテルはクルマの中!? 睡眠グッズメーカーによる、世界初の車中ホテルがオープン

  • Company: Sleepdays
  • Agency: TBWA\HAKUHODO, Tokyo
  • Country: Japan

 

昨今日本では、長距離運転による過労によって、

引き起こされる事故が社会問題化しています。

 

そこに一石を投じるかもしれない、

睡眠グッズメーカー「Sleepdays」の試みを紹介したいと思います。

(※既にサービスは終了しているようです。)

 

その名も…

HOTEL HIGHWAY

 

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(おそらく)世界初の、

“仮眠専用の車中ホテル”です。

 

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 まずはスマホで、空いているパーキングをタッチして予約します。

 

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 指定された場所に駐車すると…

 

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ホテルのスタッフがやって来ました。

 

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白くパキっとした清潔なシーツを敷いたり、

枕はもちろん、アロマグッズまでセットしてくれます。

 

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あとは目隠しのカバーをして、準備完了。

 

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 狭い車内でも、ぐっすり眠れるサポートをしてくれるホテルなのです。

 

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ちなみにホテルではおなじみの

モーニングコールや、ルームサービスも提供してくれるようです。

ほんと至れり尽くせりですね。 

 

 

2017年の9/23にオープンして月末には終了しているので、

非常に短い期間のPR目的のサービスみたいですが、

とてもユニークで夢のあるキャンペーンだと思いました。

 

なにか物語の中に入り込んだような不思議な世界観も、

このサービスの魅力を引き立てていますね。

ぜひ本格的にサービス展開してくれるといいのですが…

という淡い期待を抱きつつ、記事を締めさせて頂きます。

 

※ちなみに昨日発表されたADFEST2018にて、

プロモーションカテゴリでシルバーを受賞したようです。 

 

hotel-highway.com

youtu.be

 

マクドナルドの"M"が期間限定で"W"に!国際女性デーに出現した、前代未聞の逆さ看板

  • Company: McDonald's
  • Agency: We Are Unlimited
  • Country: USA

*English follows Japanese.

 

前回に引き続き、

今回もマクドナルドの事例をご紹介したいと思います。

 

アメリカ・カリフォルニアにあるとある店舗。

おなじみの黄色い"M"字看板がなんと逆さになったというのです。

 

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ものすごい違和感、インパクトです。

 

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看板だけではなく、

逆さロゴのパッケージやユニフォームまで 作っちゃったようです。

(約100店舗で実施したとのこと)

 でも一体、なぜ?

 

実はこの日3月8日は”国際女性デー”で、

マクドナルド社は、女性を応援する企業であることをPRするために、

このようなことを行ったというのです。

 

ちなみに、当該店舗で働くウィリアムさんはシングルマザーの店長で、

二人の娘を抱えながらマクドナルドで働いているとのこと。

その様子はドキュメンタリームービーとして公開されたようです。

  

 

誰もが知っているマクドナルドの"M"字サイン。

その知名度を利用し、世界的な話題を作り出したこの事例は、

大衆の暗黙値(世論)をうまく利用した

PR型のコミュニケーションだと言えるでしょう。

 

なにより、ブランドの根幹に関わる大切なロゴマークを使って、

実行まで踏み切ったマクドナルド社の英断が素晴らしいと思いました。

 

McDonald's has flipped own logo for International Women's Day at California, USA. The brand is also rolling out limited time "W" packaging and crew shirts and hats across 100 U.S. locations. The move has sparked a lot of debate on social media.

 

 

ロゴが見切れてるだけで充分?!カナダ・マクドナルドのシンプルすぎる屋外看板

  • Company: McDonald's
  • Agency: Cossete, Tront
  • Country: Canada

*English follows Japanese.

 

マクドナルドと言えば、あの”黄色いアーチのロゴ”ですよね。

 

そんな誰でも知っているロゴを使って、

究極のミニマリズムを体現した、カナダの屋外広告が話題になっています。

 

それがこちら。

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 「ん?」

 

一見、 何の広告だかわからず戸惑ってしまうかもしれません。

実はこれ、マクドナルドへと車を誘導するディレクションサインになっています。

ロゴが右側にあるのがわかると思いますが、

要は「店があなたの右側になりますよ」と直感的に訴えるデザインなんです。

 

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続けて見てみると、よくわかるのではないでしょうか?

 

おなじみのロゴを使って、そのトリミングだけで店の方角を指し示す、

なんともいさぎのよい広告だとは思いませんか?

 

まだカナダ・トロントでしか展開されていないようですが、

日本でもぜひ見てみたいですね。

世界で使えるアイデアだと思います。

 

積み上げたブランドイメージを有効活用した、

グローバルブランドだからこそできる施策とも言えますね。

 

youtu.be

 

McDonald's is adapting iconically curvy Golden Arches logo into directional for its restaurant. The billboards are giving drivers easy-to-follow signs to get their McD's fix. This idea is quite clever and could be adapted globally soon.

 

真っ青なパスタに、クリスタルたこ焼き?JAXAが開発した、地球温暖化の先にある”未来の食べ物”とは

*English follows Japanese.

 

このまま地球温暖化が進むと、

わたしたちの食べ物はどうなるだろう?

JAXAがそんな仮説のもと作りあげられた、

未来の食べ物がこちらです。

 

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真っ青なパスタ

 

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クリスタルたこ焼き

 

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主役の座を奪われたステーキ

 

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 ネタがつきた寿司(トロピカル寿司)

 

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大逆転プリン

 

などなど。

 

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地球温暖化が進んだ未来で、

私たちが食べなければいけないもの。

絶滅が心配される生き物、採れなくなる作物、

またその逆に豊かになる食材。

 

JAXAのつくった未来のレストランいぶきには、

近い将来、地球温暖化が与えるであろう

わたしたちの未来の食卓への影響を学ぶべく、

緻密なシミュレーションのもと

目を引く異色なメニューが並んでいる。

 

「こんな変な食べ物たべたくない!」

 

そんなシンプルな思いが、

あすのわたしたちの行動を変え、未来を変えるのかもしれません。

 

分かってはいるけどなかなか身近に感じにくい、環境問題。

奇抜なある意味”インスタ映え”するメニューを使って、

うまくPRすることに成功した事例ではないでしょうか。

 

個人的には、未来の料理の

アートディレクションが素晴らしいと思いました。

 

[公式サイト]

care-for-earth.jp

 

youtu.be

 

「もしも、ここがシリアだったら。」等身大の戦車が街を行き交う、デンマークの強烈なアンビエント広告

*English follows Japanese.

 

「もしも、ここがシリアだったら。」

 

デンマークの首都、コペンハーゲンに走るのは

そんな紛争地帯の実情を知らせる、とあるバス。

 

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等身大の戦車と、背景の平和な街のギャップ。

日常の中で非日常を感じさせる、

なんとも印象的なアンビエント広告に仕上がっている。

 

コピーでロジカルに訴えかける手段もあるが、

このようにフィジカルに直感的に理解させるものは強いと、つくづく思う。

 

" If we are in Syria?" A bus goes around Copenhagen is painted real tank. Danish pedestrians watched it are let to imagine if we are living conflict area.