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上海在住の広告クリエイターが、嫉妬に値する世界の広告やアイデアを長らく紹介し続けています。(2012年〜)

ワインに余計なレッテルは不要!カナダの究極の”ラベルレス”ボトル

  • Company: 13th Street Winery
  • Agency: LG2, Toront
  • Country: Canada

 

世界的なクリエーティブショーが、

オンラインジャッジ・表彰式に姿を変えて徐々に発表され始めています。

 

本日ご紹介するのは、久々に純粋なデザインで評価された作品です。

13th Street Wineryというカナダのワイナリーとタッグを組んだ

LG2が手がけたワインボトルが、

D&AD2020にてYellow Pencil(Product Design)と

Wood Pencil(Typography)を受賞しました。

 

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黒いシンプルなラベルの上に、ドットで描かれたシンプルな説明。

年代とブドウの品種だけが刻印されています。

一見、普通のワインボトルに見えますが、

一体何がどう評価されたと思いますか?

 

実はこちらのワインボトル、

中にワインが入っている時に真価を発揮します。

 

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ワインが注がれている状態の時には、ラベルレスになるのです。

つまり、中に何が入っているかはわからない状態です。

 

ワインと言えば「●●年の物が良い」

「□□はブドウ品種の中でも癖がある」などなど、

蘊蓄を語る人が多く、愛好家が多いことが特徴です。

 

そんな状態を鑑み、「先入観なしに純粋にワインを楽しんでほしい」と考えた

13th Street Wineryは、究極のラベルレスワインを実現したのでした。

 

その仕組みは至ってシンプルです。

エチケットはレイヤー構造になっており、

ドットの部分は瓶が透けてみえる状態になっています。

よって、ワインを飲み終えることで隠された文字が現れるというわけです。

 

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壮大なキャンペーンではありませんが、

商品にまつわる強いインサイトを見つけ出し、

鮮やかなクリエーティブで表現されたラベルレスボトル。

 

D&ADの数ある優れた仕事の中でも確かな存在感を感じさせ、

複雑化した社会においてもデザインの力は色褪せないことを

教えてくれているような気がします。

 

↓こちらでフィルムもご覧になれますので、

ぜひ合わせて一度見てみてください。

瓶の仕組みがわかりやすく説明されています。

 

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