ワインに余計なレッテルは不要!カナダの究極の”ラベルレス”ボトル
- Company: 13th Street Winery
- Agency: LG2, Toront
- Country: Canada
世界的なクリエーティブショーが、
オンラインジャッジ・表彰式に姿を変えて徐々に発表され始めています。
本日ご紹介するのは、久々に純粋なデザインで評価された作品です。
13th Street Wineryというカナダのワイナリーとタッグを組んだ
LG2が手がけたワインボトルが、
D&AD2020にてYellow Pencil(Product Design)と
Wood Pencil(Typography)を受賞しました。
黒いシンプルなラベルの上に、ドットで描かれたシンプルな説明。
年代とブドウの品種だけが刻印されています。
一見、普通のワインボトルに見えますが、
一体何がどう評価されたと思いますか?
実はこちらのワインボトル、
中にワインが入っている時に真価を発揮します。
ワインが注がれている状態の時には、ラベルレスになるのです。
つまり、中に何が入っているかはわからない状態です。
ワインと言えば「●●年の物が良い」
「□□はブドウ品種の中でも癖がある」などなど、
蘊蓄を語る人が多く、愛好家が多いことが特徴です。
そんな状態を鑑み、「先入観なしに純粋にワインを楽しんでほしい」と考えた
13th Street Wineryは、究極のラベルレスワインを実現したのでした。
その仕組みは至ってシンプルです。
エチケットはレイヤー構造になっており、
ドットの部分は瓶が透けてみえる状態になっています。
よって、ワインを飲み終えることで隠された文字が現れるというわけです。
壮大なキャンペーンではありませんが、
商品にまつわる強いインサイトを見つけ出し、
鮮やかなクリエーティブで表現されたラベルレスボトル。
D&ADの数ある優れた仕事の中でも確かな存在感を感じさせ、
複雑化した社会においてもデザインの力は色褪せないことを
教えてくれているような気がします。
↓こちらでフィルムもご覧になれますので、
ぜひ合わせて一度見てみてください。
瓶の仕組みがわかりやすく説明されています。