「本は電波がなくても読める」という価値を、オフライン環境を使って巧みに表現したアイデア
- Company: Math Paper Books
- Agency: DDB Singapore Group
- Country: SIngapore
広告業界はカンヌフィーバーに沸いておりですが、
その中で気になった事例をいくつかご紹介していきたいと思います。
モバイル部門のGOLDを受賞した
「THE OFFLINE BOOK」はとてもクレバーなやり方で、
紙の本の価値を訴求することに成功した事例です。
タブレットの普及により、
本のデジタル化は加速度的に進んでいるわけですが、
そんな最中に、紙の本の価値をどう伝えられるか?が課題でした。
そこでDDB Singaporegaが目を付けたのが、”オフライン環境”でした。
地下鉄などに乗った時、ネットワークがオフラインになってしまい、
コンテンツが途中で読めなくなってしまうという経験をしたことがある人は、
日本でも多いと思います。(今はだいぶ整備されてますが)
アイデアはとてもシンプルです。
オフラインになってしまった画面の下に、
簡単な読み物をつけて読めるようにしただけという、
ただ、それだけの本当に目の付けどころが素晴らしい仕事です。
文字通り、オフラインでも読める読み物(BOOK)として、
電波の状況に左右されない、アナログな本の価値を訴求したのでした。
このプロモーション、芸がとても細かく、
例えばデートの行き先などを調べている時にオフラインになった人には、ラブポエムを。
ニュースサイトを見ていた人には、政治エッセイをという具合に、
それぞれ見えるコンテンツをアジャストし、ユーザーのマインドに合った
コンテンツ(BOOK)を随時提供していたのでした。
なかなか手の込んだアプローチではありますが、
実際の体験に基づいたインサイトの考察と、
アイデアのキレが素晴らしい事例だと思いました。