一挙両得!空き巣を撃退する、デンマークの”強すぎるクリスマスライト”
- Company: NABOHJAELP
- Agency: Hjaltelin Stahl, Copenhagen
- Country: Denmark
クリスマスシーズン、家族での外出も増えることから、
デンマークでは空き巣被害が約50%も増加するようです。
電気の消えた家は、まさに泥棒にとっては好条件。
そんな空き巣ホイホイ状態の家を守るために、
画期的なクリスマスライトが販売されたようです。
その名も、
CHRISTMAS SPOTLIGHTS
(まんまです)
一見ただのイルミネーションに見えるのですが、
これ、光の強さに特徴があります。
薄暗い家に標的を絞り、泥棒がやってきました。
すると、センサーに反応したライトが強烈な閃光を放ちます。
宇宙にまで轟く光で、泥棒を撃退!
(絶対そんな訳は無いのですが)
そう、これはただのイルミネーションではなく、
泥棒を撃退できる”強すぎるクリスマスライト”なのでした。
家をかわいく装飾するだけでなく、
留守中の空き巣被害も防げる、まさに一挙両得なアイデアと言えますね。
飲酒チェック機能を備えた、Uberの技ありビジネスカード
- Company: Uber
- Agency: Red Pepper, Ekaterinburg
- Country: Russia
世界的にすさまじいスピードでその勢力を伸ばしている、
配車サービスアプリ「Uber」。
日本でもチラホラ、ユーザーを見かけるようになってきましたよね。
そんなUberが、ロシアで制作したビジネスカードが、
とても合理的且つクレバーなものだったのでご紹介したいと思います。
こちらがその現物。
もちろん、ただオシャレなだけではありません!
主にバーやパブなど、
Uber需要が高まりそうな場所に設置されたこのカード。
このように、
真ん中のバーの部分をかんたんに取り外すことができます。
その紙に、息をハーッと吹きかけると…
深い、緑色に!
これは単なるビジネスカードではなく、
アルコールテストを兼ねたビジネスカードだったのです。
ちなみに緑色は酔っている状態を指し示し、
すなわち「Uberを利用してね」というメッセージになっています。
Uberを使って帰るか、自分のDriveで帰るか。
その二者択一を、洒落たビジネスカードで決めてあげる(Decide)という、
なんとも技アリな事例なのでした。
リーチ獲得が難しい草の根のアイデアではありますが、
お店側にも設置メリットがありますし、協力をあおぎやすいという点で、
優れた販促施策と言えるのではないでしょうか。
ちなみにVideoもよくできてるので、あわせてご覧になってみてください。
走った分だけ食べられる、プラマイゼロな”おいしいランニング”キャンペーン
- Company: Kalengi
- Agency: Rosapark
- Country: France
分かっちゃいるけど始められない、続かない。
それがランニングではないでしょうか。
シューズブランド「Kalengi」はパリで、
ランナーをモチベーションを高める、
”おいしいランニングキャンペーン”を行いました。
新作のシューズをプロモーションすべく、
上記のようなボックスをメディアの記者に配布。
(※これ、結構ポイントですね)
箱の裏には、なにやらレストランのメニューのようなものが書かれています。
こんな感じ。
走った分だけ、お好きなメニューを選べるようです。
例えば「いちごのデザート」を食べるには、
6.1kmも走らないとダメなようです。笑
アプリを使って走行距離は計測され、
5.24、パリの一角にある有名レストランに出向き、
アプリの画面を提示することを交換条件に、
食事が楽しめるという仕組みです。
"Don't live to run. Run to live."
走るために生きるな。生きるために走ろう。
ランニングを、ただのストイックで
無機質な行為として考えるのではなく、喜びを感じられるものに変えたい。
そんなブランドメッセージを伝えてくれる、
とても楽しく、夢のあるキャンペーンだと思いました。
コンセプトビデオが非常によくできているので、
ぜひあわせてチェックしてみてください。
あぁ、ランニングしようかな・・・
書き入れ時に全店休業!?米アウトドアブランドによる、社運を賭けた一か八かの一大キャンペーン
- Company: REI
- Agency: Venables Bell & Partners
- Country: USA
ONE SHOWのBest of Show(最高賞)を受賞した、
米国のアウトドアショップREIの事例をご紹介します。
ブラック・フライデーという年末商戦初日の存在は、
世界中で知られていますが、そんなまさに書き入れ時に
REIは全国の143店舗、すべてのショップを休業。
さらに全従業員約12,000人に休みを与えることにしました。
オンラインショップまでもストップさせるという徹底っぷりです。
その時に流されたCMがこちら。
OPT OUTSIDE
「ブラック・フライデーには
買い物をせず、外に出よう。」
ここで言う”外”というのは、
ショッピングセンターを指しているのではありません。
山や川、海などの自然に触れる事を推奨しています。
ブラック・フライデーは本来「感謝祭」と呼ばれ、
家族で休日を楽しむことを目的とした日でしたが、
年末商戦の初日としてセールの始まりの日になることが多く、
米国では、こぞって買い物にいくことが慣例化していました。
しかし、アウトドアショップのREIは、
自然で時間を過ごすことの大切さを訴え、
ビジネスチャンスを棒に振ってでも、
全店舗を休業させることを優先したのです。
まさに、ブランドフィロソフィーを体現した
勇気あるアクションと言えるでしょう。
その結果…
SNS上のメンション数は、70倍に。
僅か24時間で27億impを獲得するに至りました。
さらに、150の企業が
REIに追随してビジネスをストップ。
数百を超える州立公園が、公園を無料開放する動きにまで発展しました。
約140万人が実際に、
アウトドアで時間を過ごしたようです。
#OPTOUTSIDEは未だに活用されており、
今年も同様のキャンペーンを行うみたいです。
企業のアイデンティティーに即したやり方で意表を突き、
最終的に社会的ムーブメントまで仕立て上げたこの仕事。
アイデアもさることながら、しっかり結果にまで
結びついている点が非常にすばらしいなと思いました。
他社まで巻き込む、スキームの太さ・強さも評価に値しますよね。
1滴だけで十分!超強力な効果をアピールする、小さすぎる洗剤ボトル
- Company: Pril
- Agency: TBWA\RAAD
- Country: USA
UAEの洗剤メーカーPrilが行ったコミュニケーションが、
痛快なほど明快かつユニークなので、ご紹介します。
1滴たらすだけで、
お皿があっという間にキレイになる強力洗剤「Pril」。
それを伝えるべく開発されたのが・・・
このミニチュアボトルです。
なんとわずか一滴しか入ってません。
驚きの洗浄力を、レモン成分によって
生み出したようなのですが、詳細は不明です。
こんなキットにして、
スーパーマーケットで実際にサンプリングされたんだとか。
もらったら思わずシェアしちゃいますよね。
競合との差別化が厳しいであろう洗剤業界。
そんな中で、なんとも明快かつ、シャレの効いた1滴入りボトル。
消費者の好意度upにもつながりそうですし、PR性もありそうなので、
非常に効果的だったんではないでしょうか。
クリック不要!ドミノピザが開発した、世界一簡単なピザオーダーシステム
- Company: Domino's Pizza
- Agency: Crispin Porter + Bogusky
- Country: USA
毎回おもしろオーダーシステムが話題になる、
アメリカのドミノピザ。
去年は「Emoji Ordering」で、
カンヌのチタニウムグランプリを獲得したのが
記憶に新しいですよね。
そんなドミノピザが、今回はどんな仕掛けを用意したのか?
業界も大注目の新オーダーシステムがこちらです。
その名も「ZERO CLICKS」(クリック不要)。
文字通り、このアプリを使えばクリック不要で
ピザが注文できちゃうんだそうです。
手順はいたってシンプルです。
事前にアプリをダウンロード後、
マイページにて頼みたいピザの情報をインプットしておくだけ。
あとは、頼みたいときに
アプリを立ち上げて、約10秒待つだけで注文完了です。
なんてかんたんなシステムなのでしょう。
ちなみに間違えてアプリを立ち上げちゃっても大丈夫。
10秒以内に閉じれば、注文はされることはありません。
「あぁお腹すいてなぁ・・・」って時は、
アプリを立ち上げて
10秒待つだけで、即注文完了。
ネット注文の面倒くささを、
極限まで削ぎ落としたこのアプリ。
エイプリルフールの冗談のようにも見えますが、
意外とアリかもしれませんね。
フランスでも勃発!マクドナルドvsバーガーキングの熱きマーケティング合戦
- Company: Burger King
- Agency: Buzzman Paris
- Country: France
2013年、フランスに再上陸したバーガーキング。
しかし、そこには既にマクドナルドという圧倒的王者の存在が。
まだまだ店舗の数が限られている同チェーンは、
その劣勢を覆すべく、昨年2月に排水の陣で
なかなか面白いキャンペーンを展開しているようです。
その名も、
「WHOPPER MOVEOUT」(ワッパー引越)!
文字通り引越をお手伝いするキャンペーンなのですが、
バーガーキングのお店がある場所まで引越します!と宣言した人に、
無料で荷物を送ってあげるよというもの。
ハンバーガーのために、引越・・・!?
目を疑いそうなキャンペーンなのですが、
それを本気でやっちゃうところが、さすがはバーガーキングですよね。
前代未聞すぎるこのキャンペーンはFacebookで応募を受け付け、
見事、最も遠い距離を引っ越したユーザーが勝利を獲得し、
無料で引越を行えたのだとか。
きっと国内のメディアにも多数取り上げられ、話題を博したことでしょう。
さて、お次はマクドナルドです。
このバーガーキングの施策を受けて、マクドナルドが反撃に出ました。
- Company: McDonald's
- Agency: TBWA/Paris
- Country: France
代理店はTBWA。
フランス全土に多数のドライブスルーを抱えるマクドナルド。
一方、店舗数に引けを取るバーガーキング。
マクドナルドは、競合と比べて地の利を生かした
利便性の高さを伝えるべく、あるユニークな屋外看板を立てたのでした。
それがこれです。
左側にある、とてもシンプルな看板がマクドナルド。
右側にある、縦に長く積まれた看板がバーガーキングです。
マクドナルドはまっすぐ5km行くだけ。
一方、バーガーキングは・・・とても複雑な標識になっており、
その道のりは258km。目的地がめちゃくちゃ遠いです。
不思議そうに看板を見つめるドライバー。
そうなりますよね。笑
もう意味は、お分かりですよね?
国内あらゆる場所に店舗を構えるマクドナルドと、
まだ店舗数が乏しく、不便なバーガーキング。
それを揶揄する、いたずら心にあふれたOOHなのでした。
これで一段落・・・と思いきや。
実はこの応酬、まだ続きがあるんです。
公開されたCMの抜粋がこちら。
看板を見て、近くのマクドナルドのドライブスルーに入ってきた一台の車。
車に乗車していた
カップルが頼んだのは、1杯のコーヒーだけ。
その理由がとても秀逸なんです。
「私たちは、長距離移動しないといけないんです。」
なんという皮肉でしょう。
ドライバーの男性は、遠方のバーガーキングに行くために、
近場のマクドナルドで眠気覚ましのコーヒーを買ったという訳ですね。
そして最後にはイヤらしいぐらいに
すかしたコピーがインサートされています。
「ありがとう。マクドナルド。
(国中)どこにでもあってくれて。」
してやられたぁ・・・って気持ちになりますよね。
少なくとも僕がマクドナルドの担当者なら、
ハンカチをキィーって噛んでしまうぐらい
お見事なカウンターだと思います。
本場アメリカでのバーガーチェーン抗争はとっても有名ですが、
フランスでもこんな戦いが行われているとは。
プロレスじゃないですけど、
ファンはきっとこの戦いを微笑ましく見ていると思うんですよね。
もはや伝統芸というか・・・
比較広告に寛容ではない日本では、
この手のものを見るのがなかなか難しいのですが、
これぐらい茶目っ気のある広告があってもいいのになぁと。
引き続き、この2社の動向をウォッチしていこうと思います。