書き入れ時に全店休業!?米アウトドアブランドによる、社運を賭けた一か八かの一大キャンペーン
- Company: REI
- Agency: Venables Bell & Partners
- Country: USA
ONE SHOWのBest of Show(最高賞)を受賞した、
米国のアウトドアショップREIの事例をご紹介します。
ブラック・フライデーという年末商戦初日の存在は、
世界中で知られていますが、そんなまさに書き入れ時に
REIは全国の143店舗、すべてのショップを休業。
さらに全従業員約12,000人に休みを与えることにしました。
オンラインショップまでもストップさせるという徹底っぷりです。
その時に流されたCMがこちら。
OPT OUTSIDE
「ブラック・フライデーには
買い物をせず、外に出よう。」
ここで言う”外”というのは、
ショッピングセンターを指しているのではありません。
山や川、海などの自然に触れる事を推奨しています。
ブラック・フライデーは本来「感謝祭」と呼ばれ、
家族で休日を楽しむことを目的とした日でしたが、
年末商戦の初日としてセールの始まりの日になることが多く、
米国では、こぞって買い物にいくことが慣例化していました。
しかし、アウトドアショップのREIは、
自然で時間を過ごすことの大切さを訴え、
ビジネスチャンスを棒に振ってでも、
全店舗を休業させることを優先したのです。
まさに、ブランドフィロソフィーを体現した
勇気あるアクションと言えるでしょう。
その結果…
SNS上のメンション数は、70倍に。
僅か24時間で27億impを獲得するに至りました。
さらに、150の企業が
REIに追随してビジネスをストップ。
数百を超える州立公園が、公園を無料開放する動きにまで発展しました。
約140万人が実際に、
アウトドアで時間を過ごしたようです。
#OPTOUTSIDEは未だに活用されており、
今年も同様のキャンペーンを行うみたいです。
企業のアイデンティティーに即したやり方で意表を突き、
最終的に社会的ムーブメントまで仕立て上げたこの仕事。
アイデアもさることながら、しっかり結果にまで
結びついている点が非常にすばらしいなと思いました。
他社まで巻き込む、スキームの太さ・強さも評価に値しますよね。