フライヤー広告を100倍注目させる方法
- Company: Missing Children
- Agency: Almacén, Buenos Aires
- Country: Argentina
またまたアルゼンチンから。
アルゼンチンでは、1日に平均3人の子供たちが
行方不明になってしまうそうです。
そんな行方の分からない子供たちを捜すために、
現地の非営利団体のような組織が行なった
ダイレクトコミュニケーションをご紹介します。
施策の名は「THE INVISIBLE FLYER」(見えないフライヤー)です。
紙自体が見えない、というわけではなく、
フライヤーなんて誰も注目していないから結局見えていない、
という意味でつけられたと思われます。
一応フライヤー自体はもらってくれるのですが・・・
すぐに紙をくしゃり。。。
なかなか中身なんて読んでもらえません。
ちなみにこのフライヤーを配っているのは、
サッカーのナショナルマッチの会場だそうです。
きっと舞い上がってしまい、
大量のアドレナリンが出て、フライヤーどころなんかでは
なくなってしまっているのでしょう。
ここからはポイントです。
試合が始まる前に、大型ビジョンに
「MISSING CHILDREN」という言葉が映し出されました。
一同呆然。
ビジョンをみんなが見つめています。
そしてビジョンに合わせて、ナレーターの声が響き渡ります。
「私たちはみなさんに、行方不明の子供たちの写真が載った
フライヤーをお配りしました。皆さん、きちんとご覧になられましたか?」
「子供たちは、あなたの前にいるかもしれません。探してあげてください。」
あたりをきょろきょろと見回す、観客たち。
「あなたの時間を頂戴してありがとうございました。」
ここで種明かしですね。
観客全員が同時に行方不明の子供たちについて
気づき、そして考えるきっかけを提供したわけです。
おこなったことは、フライヤーの配布とスタジアムでのCM(映像)だけ。
しかし、テレビなどで流すよりも明らかに注目を集め、
子供たちに対する意識を高められたはずです。
たかだフライヤー、されどフライヤー。
配る場所やタイミングを設計することで、その効果は
何倍にも変わる、ということでしょうか。
ストーリーテリングの大切さを改めて感じた次第です。