北極グマを救った、ロシアの”0円”プロモーション
- Company: WWF Russia
- Agency: BBDO, Moscow
- Country: Russia
BBDOロシアが行った、
絶滅危惧種であるホッキョクグマを救うことを目的とした、
「0円」プロモーションをご紹介します。
クライアントは、ロシアのWWF(世界自然保護基金)。
地球温暖化によって氷が急速に溶け、
ホッキョクグマがどんどん減ってきてしまっていることを危惧し、
クマを守るための活動に必要な基金を集めることを目的に、
プロモーションが行われました。
BBDOが行ったのは、webサイトをつくることでした。
バーチャル北極を模したwebサイトには、
ブロックで仕切られた氷の大陸があり、
その上にクマがのそのそ歩いている、というような
極めてシンプルなインターフェースになっています。
このサイトをFacebookなどでシェアすると・・・
氷のブロックが1マス増えました。
みんなの”想い”が、「氷の大陸を増やす」というアクションに
つながっていることを端的に表しています。
そして、お金を払って、バーチャル北極グマを購入することもできます。
すると、氷の大陸の上にクマが1頭追加されるという仕組みです。
このwebサイトは話題を呼び、
およそ8週間で、ユーザーアクションの集積によって、
かなり大きな氷の大陸が完成することになりました。
この活動を知った屋外メディアやWebメディアは、
こぞってこの活動の広告を無償で提供してくれるようになったそうです。
日本でも、あまりの広告枠に公共広告が入りますが、
それと同じ原理なのでしょう。
著名人も、数多く意思表明をしてくれたようです。
予算0円で、参加者は600万人超。
100万ドル以上のメディア露出効果もあったようです。
あくまで公的なプロモーションなので、
人の善意が強く働くことから成功につながったとも思いますが、
コミュニケーションの全体設計がお手本のように
よくできているなと思います。
基本webを中心にプランニングしつつ、PR目線を持って企画された、
インテグレーテッドコミュニケーションのひな形のような、
大変勉強になる事例だと思いました。