アイルトン・セナを現代に蘇えらせた、ホンダの感動のプロジェクト
- Company: HONDA
- Agency: Dentsu, Tokyo
- Country: Japan
これは悔しいですが、大変すばらしい仕事です。
ホンダの「インターナビ」というカーナビプロモーションは、
過去にも多数有名な事例がありますが、今回はその新作になります。
【参考】
その名も「Ayrton Senna 1989」
かつてF1ホンダチームの伝説的ドライバーであり、
不慮のレース事故によって亡くなられたアイルトン・セナこそが
今回のコミュニケーションの主役。
「テレメントリーシステム」と呼ばれる、ホンダの技術。
アクセルやエンジンの動きを正確に記録し、アナライズする技術のようです。
実は、セナが一世を風靡した1980年代から、
この技術はF1の世界に導入されていたようです。
1989年にセナが叩き出した世界最速ラップ。
その当時の走行記録を使って、セナを現代に蘇らせる。
そんなF1ファンにとっては夢のような話を現実にしてしまうのが、
今回のプロジェクトなのでした。
場所はおそらく鈴鹿サーキットでしょうか。
ハイテク技術を駆使して、暗闇のサーキットにセナの走行音が鳴り響き、
間断なく続く一筋の光が、まるで車となってサーキットを駆け抜けます。
まるでセナが現代に蘇ったかのように。
恍惚の表情でサーキットを見つめるファン。
往年のファンからすると、言葉にできない感動があったのでしょう。
現代では、「インターナビ」を使って、
かつてセナを支えた「テレメントリーシステム」のサービスを
誰でも享受することができます、というラストカット。
「人はストーリーによって、心を動かされる」というのが、
最近の広告界で声高に叫ばれていますが、
まさにそれを体言しているプロジェクトなのではないでしょうか。
これを立案し、この完成度で実施しきった制作企画チームに
素直に最大限の敬意を表すとともに、同じ広告屋として嫉妬します。
大変感動的で素晴らしい仕事。良い刺激をいただけました。
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