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ナイキがギリシャの標高2,911mの山頂に、バスケットゴールを設置した理由

  • Company: Nike
  • Agency: Wieden+Kennedy Amsterdam
  • Country: Greece

 

NBA選手、ヤニス・アデトクンボをご存知でしょうか?

2019年6月に開催されたNBAアワーズにて、

ギリシャ人初のMVPを獲得したことでも有名です。

 

ヨーロッパ出身のナイキ契約選手で初めての受賞となった

この快挙を記念して、とある粋な試みがナイキによって実行されました。

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youtu.be

 

 なんと、ギリシャの名峰オリンパスの標高2,911mの場所に、

リアルなバスケットゴールを設置したのだそうです。

 

ゼウスなど神々が住む山として有名なオリンパスは、

全てのギリシャ人にとって誇りとも言うべき神聖な場所です。

一体、なぜそんな場所にバスケットゴールを設置したのでしょうか?

 

グラフィックに刻まれたコピーには、こう記されています。

ーーー

FATE CAN START YOU AT THE BOTTOM.

DREAM CAN TAKE YOU TO THE TOP.

運命は麓から始まる。

夢があなたを頂上へと連れて行く。

ーーー

 

たとえどんな場所からでも、夢を見ることはできる。

その夢に従って行動した者だけが、頂上にたどり着くのだ。

 

そんな力強い言葉がヤニス選手から聞こえてくるような、

まさに「Just Do It.」なナイキらしいキャンペーンだと思いませんか?

 

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ヘリコプターで山頂までゴールを運んでいる様子

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実際に設置されたバスケットゴールが神々しい

 

実際には、山の二番目の高さのポイントに設置されたようです。

最も高い場所は、撮影クルーすら入れない危険なポイントだったからとのこと。

 

非常に神聖な場所であることから、バスケットゴールは現在は撤去され、

Spoliaと言うアテネの隣町に設置されており、

ヤニス選手の故郷で夢見る子供達にメッセージを発信し続けているようです。

 

CMとしての力強さもさることながら、しっかりPRバリューを持たせつつ、

さらにはバスケットゴールを中心にして、イベントへと展開可能な

まさに統合コミュニケーションのお手本とも言える事例ではないでしょうか。

 

“売る”のではなく“捨てる”方法を広告する、コカ・コーラ社のリサイクル促進ポスター

  • Company: Coca-Cola
  • Agency: Publicis Italy
  • Country: Italy

 

コカ・コーラといえば、

アイコニックな赤色に白のリボンのビジュアルが有名です。

 

同社は、今まで世界中でたくさんの秀逸なグラフィックを

発表してきましたが、この度イタリアでローンチされたものは、

広告するものがどうやら商品そのものでは無いようです。

 

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白のリボンを使って表現された腕と手。

その手の先にあるのは、なんとゴミ箱です。

 

商品であるコカ・コーラの販売を促進するのではなく、

コカ・コーラを正しく捨てることを促進することが

この広告の目的だったという訳です。

 

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コピーには、こう書かれています。

 

Open, taste, recycle with us,

開けて、味わって、リサイクルしよう。私たちと一緒に。

 

早くから環境問題への高い意識を持っている同社は、

2025年までに全てのパッケージをリサイクル可能な物に変えると、

広告の中であわせて宣言しています。

 

なお、これらの広告は既存のゴミ箱が存在する場所を

あらかじめ狙って設置されたようですが、

一部はコカ・コーラ社が自ら設置したゴミ箱のようです。

 

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ホワイトリボンという同社のアセットをうまく活用しながら、

売るために”売ることを目的としない広告”を作ったのは、

さすがのコカ・コーラだなと思わず関心してしまいました。

 

次はどんなクリエーティブで世界を驚かせてくれるのか?

期待して続報を待ちたいと思います。

 

どんな靴もadidasに変える、U.S.オープンの会場で行われたシューズジャック・プロモーション

  • Company: adidas
  • Agency: TBWA/Chiat/Day N.Y.
  • Country: USA

 

かつてテニス界に、ビリー・ジーン・キングという

伝説の女性選手がいたことをご存知でしょうか?

 

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39度のグランドスラム制覇を達成し、

45年前にはボビー・リグス選手との性別を超えた戦いは

「Battle of the Sexes」と称され、ファンの間で語り継がれています。

 

adidasは、そんな伝説的な女性テニスプレイヤーである

キング選手を起用し、女性をエンカレッジするキャンペーンを展開しました。

 

その名もAdidas Billie Jean King Your Shoes」です。

 

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vimeo.com

 

同社のスタン・スミスモデルの緑入りのストライプと同様に、

青に白の3本線は、彼女のトレードマークになっています。

 

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adidasは彼女の偉業を称えて、

全てのシューズにこのキング選手のブルーストライプを刻むという、

全体未聞のシューズジャック・プロモーションを展開することにしました。

 

ナイキやコンバースなど競合他社を含むいかなる靴も、

青と白に染め上げ、キング選手モデルの靴に変えてしまいます。

 

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U.S.オープンの会期に合わせて行われたこのキャンペーンは、

テニスファンを中心に話題となり、

会場を訪れたファンのシューズは、たちまちキング選手モデルの

ブルーストライプに染め上げられていきました。

 

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彼女が昔、テニスのフィールドで刻んだ確かな歴史が、

時を超えて、様々な靴に刻まれたのでした。

 

adidasの女性をエンカレッジする当キャンペーンは、

テニスカテゴリーのセールスを二桁成長させることにも繋がったそうです。

 

ブランドの持つ長い歴史やアセットを有効活用しながら、

シンプルながらとてもフレッシュな方法で

多くのファンとエンゲージすることができた好事例だと思います。

手法が非常に斬新でありながら、誰でも気軽に参加できるという簡易さ。

その点が個人的にはとても素晴らしいと思いました。

 

なお、このキャンペーンは2019年のD&ADにて3つのイエローペンシル

ONE SHOWにおいてもBest of Direct Marketingを受賞し、

カンヌでの受賞が期待されている注目の仕事となっています。

 

パリの無名の美術館が、一躍人気観光地に!?観光客心理を突いた”お土産”スタント

  • Company: The Pompidou Center
  • Agency: Marcel(Publicis)
  • Country: France

 

パリにある”ポンピドゥセンター”を、

ご存知の方はいらっしゃるでしょうか?

 

正直申し上げると筆者も知らなかったのですが、

MoMAやTate Modernをライバルに挙げるほどのアート施設で、

もう40年以上の歴史があるようです。

 

しかし、パリには凱旋門エッフェル塔

ルーブル美術館ノートルダム寺院と、見所がたくさん。

つまるところ、観光客に”選ばれない観光地”と化していました。

 

そこで、フランスのエージェンシーMarcelは、

この施設がパリにおけるポップアイコンとなるために、

とある秘策を提案します。

 

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その名も

「#SouvenirsDeParis」

です。

 

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観光地で定番のキーホルダーやミニチュアを売る露店。

そこにポンピドゥセンターのお土産を作り、

実際にゲリラ的に販売をし始めたのだそうです。

 

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こうやって並べられると、なんだかエッフェル塔凱旋門に並ぶ、

有名観光地なのではないか?と錯覚するから不思議です。

 

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さらに、バイリンガル学芸員のような方を売り子として配置し、

お客さんに施設の魅力をプレゼンすることもしたそうです。

 

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ちなみにお土産の裏側にはQRコードがあり、

施設までの道筋もしっかりガイドしてくれるようです。

コンシューマージャーニーの設計にも抜かりがありませんね。

 

 非常にアナログな手法ではありますが、

観光客インサイトを突いた素晴らしいアイデアだと思いました。

 

あとは、この施策の継続性が大切ではないでしょうか?

数日のみのスタントではなく、

しっかりお土産として定着させることができれば、

それこそ真の課題解決につながるのだと思いました。

 

www.youtube.com

今年のジョンルイスは、#エルトンジョンルイス!わずか2分で壮大な物語を感じさせるクリスマスCM

  • Company: John Lewis
  • Agency: Adam&EveDDB
  • Country: United Kingdom

 

毎年クリスマスCMが話題になる、

イギリスの大手デパート「ジョンルイス」が、

今年も素敵なCMで一足早くクリスマスを届けてくれました。

 

なんと今年は・・・

#エルトンジョンルイス

 

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なんだただのダジャレかよと思った方は、侮ることなかれ。

とてつもないクオリティーに仕上がっています。

 

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物語は、エルトン・ジョンが静まりかえった部屋で

往年の名曲「Your Song」を奏で始めるところから始まります。

 

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曲が進むにつれて、ジョンの姿がどんどん変化して行きます。

 

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そしていつの間にか、少年の姿に…!

 

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時間がどんどん遡り、最後は幼少時代に。

クリスマスの朝、目を輝かせながらプレゼントを見ると、

そこには大きなピアノが置かれていました。

 

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そう、そのピアノこそエルトン・ジョンの宝物だったのです。

ジョンの背中をバックに、コピーが決まります。

 

Some gifts are than just a gift.

いくつかの贈り物は、ただの贈り物以上の価値がある。

 

クリスマスプレゼントが、我が子の大きな夢を叶えるための

大切なギフトになるかもしれない。

そんな親心をくすぐる、非常に秀逸なCMだと思いました。

 

尺は、およそ2分強。

短い時間で、ここまで心を掴まれるCMは久しぶりです。

そして何より、クリスマスプレゼントを買いたい気持ちにさせてくれる。

これぞ、まさに名作CMと言えるのではないでしょうか?

 

セレブや人気者を使うCMが多い日本ですが、

時代に左右されない、人の心を掴む術を持ったこの作品から、

学ぶことがとても多い気がしました。

 

www.youtube.com

ハロウィンでもらった不要なキャンディーを人気商品と交換できる、米菓子メーカーによる夢のベンダーマシン

  • Company: REESE'S
  • Agency: Anomaly
  • Country: USA

 

「ハロウィンでもらえるお菓子は微妙なことが多い」という問題に目をつけ、

ハロウィンの本場アメリカで絶大な人気を誇る

キャンディーブランド「REESE'S」が、

お菓子を自社の製品と交換してくれるベンダーマシンを開発しました。

 

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不要なキャンディーをベンダーの中に投げ込むと…

 

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同社のピーナッツ・バターカップがもらえるという

とてもシンプルな仕組みです。

 

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ちなみに自社調査によると、

アメリカ人の約90%がハロウィンでもらうお菓子に対し

不満意識を持っていた様で、それがきっかけとなって

こちらの施策が行われたとのことです。

 

なお、このベンダーはニューヨークのワシントン・スクウェアパークに

設置され、およそ1万個ほど配布したとのことです。

 

ピーナッツ・バターカップをもらった人は、こんな表情。

 とっても嬉しそうです。

 

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REESE'Sの担当者の元には

「うちの街にも、ベンダーマシンは来ないのか?」という

消費者からの問い合わせが殺到したとのこと。

 

シンプルなサンプリング企画ながら、

ハロウィンの文脈を捉え、しっかりインサイトを掴んだことで

ただのばら撒きキャンペーンよりも大きな成果が得られたのではないでしょうか?

 

 

カニエ・ウェストのスマホ暗証番号ダダ漏れ事件を受け、スウェーデンの通信会社が瞬速でパス発行サービスをオープン!

  • Company: Telenor
  • Agency: ACNE Advertising, Sweden
  • Country: Sweden

 

お騒がせアーティストのカニエ・ウェスト

ホワイトハウスを電撃訪問したニュースで世界を騒がせたが、

その際、カメラに映り込んだカニエのスマホ暗証番号がダダ漏れになり、

政治とは違う方面で話題になっているようです。

 

ちなみにその番号は111111。ありがちな連続した番号だったそうだ。

世界的セレブの暗証番号があまりにも簡単で無用心である、

という視点からスウェーデンの通信会社がなんともユニークなサービスを始めた。


その名も…

MAKE PASSCODES GREAT AGAIN

 

言わずと知れた、トランプ大統領のタグラインである

「MAKE AMERICA GREAT AGAIN」を文字ったものになっているのが

なんともユニークで面白い。

 

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https://makepasscodesgreatagain.com

 

このサービスは至ってシンプルで、

6桁のパスコードを自動的に作ることができます。

どんなに面倒臭がり屋の人でも、これさえあれば

ちゃんとパスコードを用意できるというわけです。

 

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(肝心の新パスワードを自分自身が忘れてしまうから、

せめて備忘録的にevernoteとかに接続されるようにしてくれたらいいのになぁ、

と思わず心の声が漏れてしまいましたが…)

 

何れにしても、こういう社会的事象をいち早く拾って

自社のブランディングやサービス告知につなげるのは

なかなか日本の企業が苦手としているところです。

 

時流に乗った、PR視点のプランニングのご参考になれば幸いです。