ガムを食べている人の印象は良い?悪い?ガムメーカーによる心理実験的アプローチ
これは面白い!
今まで考えたことも無い、アルゼンチンのガムメーカーによる
奇想天外なプロモーションをご紹介します。
「ガムを食べるという行為は、社会的に恥に思われている部分がある」
という切り口からこのプロモーションは語られます。
確かに日本でも、会議中にガムを食べているというのは
相手側に失礼な印象を与えかねませんし、
ガムを食べている印象ってどこか不良っぽいというか、
あまり良しとされている感じもしないですよね、言われてみれば。
しかし、それって本当に事実なのでしょうか?
ガムのイメージを良くすることで需要を高めようと、
アルゼンチンのガムメーカーであるBeldentは、2013年の10月、
首都ブエノスアイレスの現代美術館にて、
ある心理実験を行うことを試みました。
国内から、一卵性で生まれてきた見た目のそっくりな
双子の兄弟や姉妹たちを集め、
片方にだけガムを食べてもらいました。
見た目は本当に瓜二つなので、
ガムを噛んでいるかいないか、それ以外には全く差がありません。
その様子を”インスタレーションアート”として展示し、
場所を一般開放して、実際のお客さんを入れて実験が始まります。
「どちらの方が、優しい人に見えますか?」
このインスタレーションの前には、
ヘッドフォンと2つのボタンがあり、
流れてくる質問の答えを、ボタンを使って
お客さんが答えるという仕組みになっています。
「どちらの方が、あなたを解雇してきそうですか?」
迷わず、ガムを噛んでいない左の紳士を選びました。
このように、訪れたお客さん達に
様々な”第一印象”の質問に答えてもらい、
ガムを食べている人とそうでない人の印象の違いをヒアリングしたのでした。
結果的に、481人のお客さんがこの心理実験に参加。
「約78%の人たちが、
ガムを食べている人の方が好印象であると答えた。」
というのがこの実験の結論でした。
正直、意外な結果なのですが、
このビデオを見ると確かにガムを噛んでいない人の方が、
ちょっと悪い印象に見えてしまうんですよね。
(気のせいなのかもしれませんが・・・)
社会の人々が周知の事実として
ガムは行儀が悪い、印象が悪いと決めつけていたと思うのですが、
この実験によって、おそらくその印象が
少しは変わるのではないかと思います。
広告は商品の良いところばかりを抽出して
誇大表示するような一面もありますが、
真の課題に向き合い、商品の味云々ではなく、
本質から課題を解決する姿勢、その芯の強さのようなものを
感じられる、大変素晴らしい事例だと思います。