世界最強のオールブラックスが、渋谷の女子高生にガチで体当たり!? AIGのリスクをとったWEB CMが素晴らしい
- Company: AIG
- Agency: TBWA\HAKUHODO
- Country: Japan
彼らがメインキャラクターを務める、同じく世界的に有名な保険会社AIG。
日本での認知向上を狙ったプロモーションの一環で、
WEBムービーがこのたび公開されたのですが、
その内容がとても素晴らしかったのでご紹介したいと思います。
突如、渋谷の街中に現れたオールブラックスのメンバー。
カラダが一般人と違いすぎて、明らかに浮いてます。
メンバー一同、とことこ渋谷の街に繰り出したのですが…
なんといきなり、
女子高生に体当たり…!!
度肝を抜かれる演出に、思わず目を疑います。
(注釈をここで入れざるを得ないほどの衝撃的な展開)
次は、自転車に乗ったお兄さんに体当たり。
ティッシュ配りの着ぐるみさえも、なぎ倒していきます。
一体ぜんたい何が起きているのか?
オールブラックスって、筋肉自慢のただの嫌なやつなの?
そんな勘違いさえも起きてしまう、リスクをとった思い切った演出。
しかし、もちろんこれで終わりではありません。
実はこれ、無作為に一般人を
攻撃していたのではなく、守っていたのです。
街に潜む様々な危険から、人々を守る。
まさにスーパーヒーローとしてオールブラックスが登場したというわけ。
最後のコピーも秀逸です。
「#TackleTheRisk」(リスクに体当たりせよ)
リスクに先回りする保険会社へ
保険と言えば、守りに入るもの。
攻めの姿勢でリスクに向き合い、そして体当たりしていく。
うまくメッセージに落ちていますよね。
ノンバーバルで分かるし、テンポもよいし、
世界中の人に理解してもらえる、
素晴らしいムービーになっていると思いました。
自慢の”セクシー広告”を廃止。ブラジルのビールブランドが提唱する新時代の女性像
- Company: Ambev
- Agency: F/Nazca Saatchi & Saatchi
- Country: Brazil
ビールと言えば世界共通で、
美女のセクシー広告が用いられがち。
ブラジルのビールブランドSKOLもご多分に漏れず、
お尻丸出しのセクシー美女を起用した広告を展開していました。
しかし、時代も変わり、
女性をセクシャルなモノとしてとらえたような広告に対して、
世の中の価値観とギャップが生まれてきました。
「男性のみならず、女性にも飲んでほしい。
男女関係なく、愛されるブランドに。」
そう考えたSKOLは、自身の広告を大胆に改革することにしました。
その名も…
「Reposter」プロジェクトです。
とある6人の女性アーティストを起用し、
元のセクシー広告をイラストの力で生まれ変わらせることに。
これがその過程です。
どうでしょう?
見る見るセクシー美女が、オシャレなポスターに変身していきます。
「ビールをサーブする女性の写真は、
ビールを楽しむ女性のイラストに。
女性を”奉仕する人”というポジションから変えたかった。」
と、イラストを描いたひとりであるArrudaさんは語っています。
男性が見て楽しむだけのモノとしての女性像を打ち消し、
新時代の女性の在り方を提唱する、
非常に社会性に富んだ、意義ある試みだと言えるでしょう。
現代人のタイピカルな価値観を揺るがす、
素晴らしいチャレンジだと思いました。
プロジェクトの全容が分かるビデオはこちらです。
是非、あわせてご覧ください。
米ドラマ「マッドメン」に登場する”50年前のプレゼン”を採用した、ハインツの英断過ぎる広告
- Company: Heinz
- Agency: Sterling Cooper Draper Pryce and DAVID the Agency , New York
- Country: USA
『マッドメン』と言えば、言わずと知れた
米国の1960年代の広告業界をテーマにしたドラマですが、
その作品中に登場するあるアイデアが、
実際にハインツによって採用されたようです。
ちなみに、これがそのプレゼンシーン。
ハインツの製品であるケチャップが登場しないとても斬新な広告で、
ポテトフライやハンバーガーの
シズル感たっぷりの写真の上に入れられた
コピーは、
「PASS THE HEINZ.」(ハインツをくれ。)
だけです。
ドラマの中では、競合するPeggy Olson社が
もっとプロダクトセントリックなアイデアでピッチを制したため、
この広告は採用されなかったというストーリーになっていました。
ところが…50年経った今。
なんとハインツ社が実際にこの広告を採用した、というのです。
ほぼドラマの中に登場する広告と一緒です。
ニューヨークの屋外広告として、掲出されているようです。
50年前の、しかもドラマの中に登場する広告を採用するなんて
ハインツ社のユーモア溢れる決断は、まさに英断ですよね。
ちなみに本当の仕掛人は、同じくニューヨークにオフィスを構える
DAVID the Agencyなのですが、制作者のクレジットを見ると、
「Sterling Cooper Draper Pryce and DAVID the Agency」となっており、
協業したという設定になっています。
ちなみにこれは、David社のCCOのコメントです。
「ドンはよくやってくれた。
美しいフライドポテトやハンバーガーの写真を見てください。
何かがそこには欠けている。わざわざそれが何かを見せなくても、
あなたは気づくことでしょう。」
Anselmo Ramos, CCO at David
なんて洒落の効いた人なのでしょうか。
クライアントも凄ければ、エージェンシーも凄い。
エイプリルフールのネタのようなアイデアを、本当にやってのける。
クライアントとエージェンシーの良好な関係性があるからこそできる、
素晴らしい仕事だと思いました。
映画「KONG」をPRする、突如ロサンゼルスに現れた巨大な足跡広告
- Company: Warner Bros. Entertainment
- Agency: Grandesign, New York
- Country: USA
映画「KONG: Skull Island」の公開を前に、
ロサンゼルスのあちこちに”キングコングの足跡”が出現する
というスケール大な広告が展開されているようです。
こちらがロサンゼルスのビーチに現れた、その足跡の様子。
人の大きさと比較して、スケールの大きさが伝わってくるかと思います。
何よりクオリティも高いですよね。
そして次が、
とあるロサンゼルス市内の駐車場。
繁華街の中にある広場。
都市部になると、地面に穴を開けられないためか、
錯視ステッカーを使っただけで、クオリティーがイマイチなのはご愛嬌ですが…
続いて、街を見下ろす谷。
これはいい感じですよね。映画のワンシーンみたいです。
観光名所としておなじみの、ハリウッドにも現れたようです。
試みとしてはシンプルでいて、とても強いと感じます。
モノとしてのリーチ効率は低くても、PR効果は絶大ですよね。
(なんてったって、遠く離れた日本でもこうやって記事化されてるのですから)
KONGのような実在しない生物を、
あたかも実在しているかのように現実世界に持ち込むと、
作品の世界観を瞬時に感じられますし、映画の宣伝において
「現実化」というアプローチは極めて有効だと思います。
日本だとどこまでできるのだろう、と余計な心配をしてしまいますが、
非常にアメリカらしいユニークな施策なのでした。
国際女性デーに、NYの象徴チャージング・ブル像の前に設置された”勇敢過ぎる少女像”
- Company: State Street Global Adivisors
- Agency: McCann, New York
- Country: USA
ニューヨークのブロード街に設置された、
獰猛すぎる雄牛の像、「チャージング・ブル」をご存知でしょうか?
金融用語で「ブル・マーケット」という言葉があり、
それは繁栄市況を指し、景気が良いという意味を持っています。
1989年に突然ゲリラアートとして設置されたこの像は、
少し場所は変わったものの、今も尚設置されており、
ニューヨークの金融業界のシンボルとして君臨し続けています。
そんな像の前に、国際女性デーの前日、
新たな像がゲリラ的に設置されたと話題になっています。
それがこの「勇敢すぎる少女像」です。
獰猛な牛に立ち向かうべく、
仁王立ちをして、ぎろりと睨みつける少女像。
これはいったいだれの仕業なのかというと、
ニューヨークの金融会社State Street Global Advisorsによるものでした。
「企業の役員の中における女性比率の低さや、
特に金融業界での性別によるペイギャップなど、未だにはびこる女性差別。
国際女性デーを機にそういった問題への注目を集めたいと考えた」と
同社のアン・マクナリーさんは語っています。
一緒に仕掛けたのは、ニューヨークのMcCann。
国際女性デーというと世界中で様々な試みが行われますが、
非常にシンプルでいて、メッセージ性の強いこのアクションは、
世界中のニュースとなって、注目を集めているようです。
ちなみにこの像、ゲリラ設置という体裁をとっていますが、
ニューヨーク市にはしっかり許可を取ったとのこと。
どれだけの期間設置できるかは、これからの判断になるということです。
長く設置されることを切に願いたいと思います。
米バーガーキングのクレームを恐れぬ、攻めすぎてる”炎上ポスター”
- Company: Burger King
- Agency: David, Miami
- Country: USA
1954年のオープンの米Burger King。
炭火焼パティは想像しただけでよだれがじゅるりと出てきてしまう
Burger Kingのアイコン商品です。
店内で本気で炭火焼をしているがあまり、
実は他のファストフードチェーンに比べて火災事件が多いことも有名で、
たびたび全米各地で事件が勃発していました。
そんな状況を受けて、
同社は積み重なったマイナスイメージをプラスに転じるべく、
なんと過去の火事が起きた店舗の状況写真を
そのままポスターにしてしまうという大英断!?に出たのでした。
それがこれ。
隅に置かれた小さなテロップで
いつどこで起きた火災なのかが詳細に書かれています。
これ、ほんとの火災の現場写真なのです。
日本で同じことをやれば、
「被害者の傷に塩を塗るような試みだ!」と
糾弾されるであろうこのポスター。
さすがアメリカとでも言いましょうか。
Burger Kingの攻め具合、やはり半端ないのでした。
どんな過去も消せる、中古車販売メーカーSTARMARKの凄すぎる清掃テクニック
- Company: STARMARK
- Agency: TBWA & BBDO
- Country: Denmark
中古車を購入するとき、
消費者が最も気にするのが前オーナーの存在です。
「前のオーナーってどんな人だったんだろう?」
「いったいどんな使い方されてたのかな?」
中古車に残されたかすかな形跡から、
邪推してしまったりするものです。
デンマークの中古車販売メーカーSTARMARKは、
そんな消費者の不安を取り除ける、圧倒的な清掃スキルで
どんな中古車も新品同様にしてしまうというのが売り。
その清掃力をアピールする為に、とある実験を行いました。
まず3台の車を用意し、様々な用途で使用しました。
①爆音で音楽を演奏する
②セックスする
③大量にエビを敷き詰める
そんな使い方する人いないだろ!ってところはご愛嬌。
その後、いわゆる”使用済み”の車を
STARMRK自慢のスタッフが清掃し始めました。
すっかり車が綺麗になったところでやってきたのが、
デンマークのCSI(科学捜査班)の権威、Jorn Moos氏。
このMoos氏に課せられたミッションは、
「車の中で過去に何が行われていたかを当てよ」というもの。
ベテラン調査班のMoos氏は、
「37年間警察組織で調査をしていた。」と自信満々のご様子です。
そして、早速調査を開始しました。
果たして見ごと、的中させることはできるのでしょうか?
Moos氏が出した答えは…
- ふたつの指紋を発見。しかし、結果は分からず。
- おそらく生物的な痕跡あり。しかし、結果分からず。
- 剛毛のかすがあり。しかし、結果分からず。
なんと…
すべて当てることができませんでした。
さきほどの自信はどこへやら。
すっかり落ち込んでいる様子のMoos氏。
見事、STARMARK清掃チームの勝利、ということに相成りました。
WHAT EVER HAPPENED, DIDN'T HAPPEN.
「何が起きようが、起きまいが。」
どんな中古車も、新品同様にしてしまう。
圧倒的な清掃スキルを誇る、
STARMARKの非常に秀逸なプロモーションのご紹介でした。