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上海在住の広告クリエイターが、嫉妬に値する世界の広告やアイデアを長らく紹介し続けています。(2012年〜)

マクドナルドはチキン(臆病者)!? 米バーガーキングによる過激な休戦協定プロモーション

  • Company: Burger King
  • Agency: Unknown
  • Country: USA

 

独特のプロモーションに定評がある、

バーガーキングが9/21の国際平和デーに向けて仕掛けた

プロモーションが話題になっています。

 

8/26にバーガーキングが、

自身のYouTubeチャンネルにUPしたこの動画は、

同社最大のライバル、マクドナルドに向けたものでした。

 

 

その内容は、国際平和デーを機に、

ハンバーガー戦争をもう終わりにしませんか?というメッセージ、

両社のコラボ商品として

「McWhopper」を作らないかと

具体的な提案を持ちかけたのでした。

 

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「マック」と「ワッパー」という言葉は、両社のアイコンのようなもの。

お互い歩み寄って、最高のコラボバーガーを作ろうという

ライバル企業同士の前代未聞の提案。それは詳細まで練られていました。

 

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コラボ店舗の所在地は、

両社の本社の中間をとったアトランタ

 

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パッケージはお互いのカラーをはんぶんこした、こんな感じ。

 

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ユニフォームも同様です。

 

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さぁ、バーガー戦争を終わらせよう!

鼻息荒く提案を持ちかけたバーガーキング

気になるのは、その反応ですよね。

 

マクドナルドがこの提案を受けて、

どのような反応を示したかというと・・・

 

その答えは・・・

残念ながら「No」でした。

 

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マックCEOのSteve氏から届いた返事を要約すると次の通り。

 

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素晴らしいアイデアをありがとう。 

もっと大きな規模で、世界に変化を起こしませんか?

今ある友好的な競争は、

決して戦争の痛みや苦しみとイコールではありませんよ。

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やんわりと、遠回しに断っているのが分かると思います。

 

うーん、なんとも不完全燃焼な結末なのですが、

実はこの両社のやりとりを見た、

全くの第三者からバーガーキングに向けて

オファーが相次いでいるようです。

 

 

Denny's

 「やぁバーガーキング、私とワッパーつくらないか?」

 

 

Giraffas

「マックがチキンになっているなら、

私とブラジリアンスタイルのワッパーをつくろうよ」

 

 

Krystal

「私たちには提案がある。受け止めてくれませんか?」

 

さすがアメリカ、とも言うべきでしょうか。

数々の有名飲食チェーンが次々と名乗りを上げてきました。

 

それに対してバーガーキングも次のようにTweetしています。

 

Burger King

「私たちは、会議の場を設ける必要がありそうですね。」

 

なんともやる気満々なバーガーキング

この行く末は一体どうなるのでしょうか?

また日を待って、ご報告したいと思います。

 

どこまでが本当にバーガーキング

意図したものなのか分かりかねますが、

ソーシャルメディアのライブ感を駆使し、

非常にうまくコミュニケーションをしていると思います。

 

大企業になればなるほど難しい、ソーシャルメディアの活用方法。

事の発端者となっているバーガーキングもさることながら、

それに後追いしたDenny'sなどの各社の英断には

「あっぱれ」という感じがします。

 

縦割りが厳しく、何をするにも承認を得る必要のある

日本企業にとっては、このようなチャンスにも

二の足を踏むことが多くなりがちでしょう。

 

アメリカのソーシャルメディアで繰り広げられている

生きたコミュニケーションからは、

多いに学ぶことがあるのではないでしょうか。