14,000人を超えるBooking.comの社員自ら旅行して撮影した、1年がかりのドキュメンタリーCM
- Company: Booking.com
- Agency: Cloudfactory, Amsterdam
- Country: Netherlands
世界最大級の宿泊予約サイト「Booking.com」のために、
オランダのクリエイティブスタジオが制作した
キャンペーンをご紹介します。
キャンペーンの名は…
「One Mission」(ひとつのミッション)。
アイデアは極めてシンプルです。
旅行の際にお世話になるサービスなだけに、
社員もまた旅行好きなのだろうと推察するのですが、
「じゃあ社員に旅行行かせて、映像を撮ってきてもらおう!」
というミッションを与えちゃったという訳。
この撮影には、1年かけて
約14,000人の社員が参加したようです。
訪れた国はなんと190カ国。
地球上の国、ほぼ全部です。
社員一人一人が、実際にBooking.comを使って
世界 のあちこちを体験し、その様子を
GoProを使って詳細に押さえてこさせたのでした。
映像はプロによるそれではありませんが、
旅情に溢れたリアルなものに仕上がっており、
旅をする楽しさを教えてくれるものばかりです。
WE TRAVEL EVERYWHERE,
私たちは世界中を旅する、
TO HELP YOU TRAVEL ANYWHERE.
あなたがどこにでも旅できるように。
THIS FILM SHOT BY THE EMPLOYEES OF BOOKING.COM.
この映像は、Booking.comの社員たちによって撮影されました。
なんてことないつなぎ合わせの映像ですが、
社員自ら旅行を楽しみ、その様子をドキュメンタリータッチで描いた、
”作られていない”クリエイティブには、
映像そのもの以上に物語る強さがあると感じました。
「現実は小説より奇なり」ではないですが、
事実を積み上げるというのは昨今のクリエイティブにおいて
他社と差別化を図る上でも凄く重要なことだと思います。
24時間で2億回再生された、映画「Rings」の背筋が凍えるバイラルムービー
- Company: Paramount Pictures
- Agency: Thinkmodo, New York
- Country: USA
「24時間以内で2億回再生」
この数値がいかに凄いかというのは、
広告・クリエーティブ業界に身を置くものなら、
誰でも肌身に感じるところでしょう。
ニューヨークに本拠地を置く、
バイラルマーケティングエージェンシー「Thinkmodo」が制作した
映画「Rings」のためのバイラルムービーが話題です。
とある家電量販店(Best Buy)で行われたこの施策。
テレビ売り場で、事件が起こります。
一見、何の変哲もないいつも通りのテレビ売り場ですが、
後ろのモニターにRingsのワンシーンが映し出されると…
ひとつのテレビから、なんとリアル貞子が登場!
その場に居合わせたお客さんたちは、騒然!
(そりゃそうですよね。笑)
この表情です。
とてもシンプルなドッキリなのですが、
映画「Rings」の最大の見せ場である”テレビから貞子登場”を
地でやってしまう、というところがポイント。
驚いている人たちがとてもチャーミングに見えますよね。
読後感が良いです。
ちなみにこの動画を制作したThinkmodoは、
数々の映画コンテンツのバイラルムービーを作っていて、
基本的には、劇中のワンシーンを
完全再現したスタントで話題化させたものが多いです。
ぜひあわせてその他の作品もみてみてください。
Tekekinetic Coffee Shop Surprise
Beauty Shop Scare
一挙両得!空き巣を撃退する、デンマークの”強すぎるクリスマスライト”
- Company: NABOHJAELP
- Agency: Hjaltelin Stahl, Copenhagen
- Country: Denmark
クリスマスシーズン、家族での外出も増えることから、
デンマークでは空き巣被害が約50%も増加するようです。
電気の消えた家は、まさに泥棒にとっては好条件。
そんな空き巣ホイホイ状態の家を守るために、
画期的なクリスマスライトが販売されたようです。
その名も、
CHRISTMAS SPOTLIGHTS
(まんまです)
一見ただのイルミネーションに見えるのですが、
これ、光の強さに特徴があります。
薄暗い家に標的を絞り、泥棒がやってきました。
すると、センサーに反応したライトが強烈な閃光を放ちます。
宇宙にまで轟く光で、泥棒を撃退!
(絶対そんな訳は無いのですが)
そう、これはただのイルミネーションではなく、
泥棒を撃退できる”強すぎるクリスマスライト”なのでした。
家をかわいく装飾するだけでなく、
留守中の空き巣被害も防げる、まさに一挙両得なアイデアと言えますね。
飲酒チェック機能を備えた、Uberの技ありビジネスカード
- Company: Uber
- Agency: Red Pepper, Ekaterinburg
- Country: Russia
世界的にすさまじいスピードでその勢力を伸ばしている、
配車サービスアプリ「Uber」。
日本でもチラホラ、ユーザーを見かけるようになってきましたよね。
そんなUberが、ロシアで制作したビジネスカードが、
とても合理的且つクレバーなものだったのでご紹介したいと思います。
こちらがその現物。
もちろん、ただオシャレなだけではありません!
主にバーやパブなど、
Uber需要が高まりそうな場所に設置されたこのカード。
このように、
真ん中のバーの部分をかんたんに取り外すことができます。
その紙に、息をハーッと吹きかけると…
深い、緑色に!
これは単なるビジネスカードではなく、
アルコールテストを兼ねたビジネスカードだったのです。
ちなみに緑色は酔っている状態を指し示し、
すなわち「Uberを利用してね」というメッセージになっています。
Uberを使って帰るか、自分のDriveで帰るか。
その二者択一を、洒落たビジネスカードで決めてあげる(Decide)という、
なんとも技アリな事例なのでした。
リーチ獲得が難しい草の根のアイデアではありますが、
お店側にも設置メリットがありますし、協力をあおぎやすいという点で、
優れた販促施策と言えるのではないでしょうか。
ちなみにVideoもよくできてるので、あわせてご覧になってみてください。
走った分だけ食べられる、プラマイゼロな”おいしいランニング”キャンペーン
- Company: Kalengi
- Agency: Rosapark
- Country: France
分かっちゃいるけど始められない、続かない。
それがランニングではないでしょうか。
シューズブランド「Kalengi」はパリで、
ランナーをモチベーションを高める、
”おいしいランニングキャンペーン”を行いました。
新作のシューズをプロモーションすべく、
上記のようなボックスをメディアの記者に配布。
(※これ、結構ポイントですね)
箱の裏には、なにやらレストランのメニューのようなものが書かれています。
こんな感じ。
走った分だけ、お好きなメニューを選べるようです。
例えば「いちごのデザート」を食べるには、
6.1kmも走らないとダメなようです。笑
アプリを使って走行距離は計測され、
5.24、パリの一角にある有名レストランに出向き、
アプリの画面を提示することを交換条件に、
食事が楽しめるという仕組みです。
"Don't live to run. Run to live."
走るために生きるな。生きるために走ろう。
ランニングを、ただのストイックで
無機質な行為として考えるのではなく、喜びを感じられるものに変えたい。
そんなブランドメッセージを伝えてくれる、
とても楽しく、夢のあるキャンペーンだと思いました。
コンセプトビデオが非常によくできているので、
ぜひあわせてチェックしてみてください。
あぁ、ランニングしようかな・・・
書き入れ時に全店休業!?米アウトドアブランドによる、社運を賭けた一か八かの一大キャンペーン
- Company: REI
- Agency: Venables Bell & Partners
- Country: USA
ONE SHOWのBest of Show(最高賞)を受賞した、
米国のアウトドアショップREIの事例をご紹介します。
ブラック・フライデーという年末商戦初日の存在は、
世界中で知られていますが、そんなまさに書き入れ時に
REIは全国の143店舗、すべてのショップを休業。
さらに全従業員約12,000人に休みを与えることにしました。
オンラインショップまでもストップさせるという徹底っぷりです。
その時に流されたCMがこちら。
OPT OUTSIDE
「ブラック・フライデーには
買い物をせず、外に出よう。」
ここで言う”外”というのは、
ショッピングセンターを指しているのではありません。
山や川、海などの自然に触れる事を推奨しています。
ブラック・フライデーは本来「感謝祭」と呼ばれ、
家族で休日を楽しむことを目的とした日でしたが、
年末商戦の初日としてセールの始まりの日になることが多く、
米国では、こぞって買い物にいくことが慣例化していました。
しかし、アウトドアショップのREIは、
自然で時間を過ごすことの大切さを訴え、
ビジネスチャンスを棒に振ってでも、
全店舗を休業させることを優先したのです。
まさに、ブランドフィロソフィーを体現した
勇気あるアクションと言えるでしょう。
その結果…
SNS上のメンション数は、70倍に。
僅か24時間で27億impを獲得するに至りました。
さらに、150の企業が
REIに追随してビジネスをストップ。
数百を超える州立公園が、公園を無料開放する動きにまで発展しました。
約140万人が実際に、
アウトドアで時間を過ごしたようです。
#OPTOUTSIDEは未だに活用されており、
今年も同様のキャンペーンを行うみたいです。
企業のアイデンティティーに即したやり方で意表を突き、
最終的に社会的ムーブメントまで仕立て上げたこの仕事。
アイデアもさることながら、しっかり結果にまで
結びついている点が非常にすばらしいなと思いました。
他社まで巻き込む、スキームの太さ・強さも評価に値しますよね。
1滴だけで十分!超強力な効果をアピールする、小さすぎる洗剤ボトル
- Company: Pril
- Agency: TBWA\RAAD
- Country: USA
UAEの洗剤メーカーPrilが行ったコミュニケーションが、
痛快なほど明快かつユニークなので、ご紹介します。
1滴たらすだけで、
お皿があっという間にキレイになる強力洗剤「Pril」。
それを伝えるべく開発されたのが・・・
このミニチュアボトルです。
なんとわずか一滴しか入ってません。
驚きの洗浄力を、レモン成分によって
生み出したようなのですが、詳細は不明です。
こんなキットにして、
スーパーマーケットで実際にサンプリングされたんだとか。
もらったら思わずシェアしちゃいますよね。
競合との差別化が厳しいであろう洗剤業界。
そんな中で、なんとも明快かつ、シャレの効いた1滴入りボトル。
消費者の好意度upにもつながりそうですし、PR性もありそうなので、
非常に効果的だったんではないでしょうか。