不揃いな野菜や果物を人気商品に変えた、たった一つのアイデア
- Company: intermarche
- Agency: Marcel, Paris
- Country: France
本日はフランスで社会の課題解決につながった、
”For Good”の好事例をご紹介したいと思います。
日本でも、カタチや育ちの悪い野菜や果物などが
廃棄処分にあってしまうことは多々ありますが、
フランスでも同様に、その厳しい生産規定から、
大量の食べ物が処分されることが、
ひとつの社会問題となっていました。
そこで立ち上がったのが「intermarche」という
フランス国内の大手スーパーマーケットチェーンです。
不名誉にも、不合格の烙印を押された農作物たちに、
救いの手を差し伸べたのでした。
不思議なカタチをしたジャガイモや...
双子のような青リンゴ。
二股のレモンまで。
これらの不揃いな野菜や果物を、通常の3割引きで販売することにしたのです。
それをフランス国内のあらゆるメディア
(TV、ラジオ、OOH、プリント)を使ったり、
店舗内メディアであるPOPやカタログなどを駆使して、
大々的に告知を行いました。
その結果、なんら味や栄養価に遜色のない、
不揃いな農作物をの価値に気づいてもらうきっかけを
創出することに成功したのです。
また、この試みをブーストさせるために、
あるオリジナル商品の開発にも着手しました。
それがこちら。
鮮度抜群のスープやジュースに仕立てて、
綺麗なデザインパッケージをまとわせ、店頭でサンプリングを実施を行ったのです。
姿を変えた途端、カタチを気にしていた消費者の価値観は
ガラガラと音を立てて崩壊。価格が安く、しかも味も良いそれらの商品は、
たちまちスーパーの人気商品になったのでした。
その結果、不揃いな農作物の価値に気づいた消費者たちは、
積極的に手に取るようになり、見事スーパーの棚もこの通り。
無意識に避けていた心理的バリアが除去されたことで、
商品そのものの価値を、消費者に正しく理解してもらえることに成功したのでした。
ちなみにわずか2日間で、1店舗あたり平均1.2トン売れたんだとか。
シンプルなアイデアですが、
きちっと成果もあがり、何より社会の課題解決に至った。
”For Good”は近年の広告業界のトレンドでもありますが、
ここまで企業の課題と社会の課題が良いバランスで
解決できているのは希有で、とても素晴らしい仕事だと思いました。