ハンバーガー食べたければ、マクドナルドへ行け!?バーガーキングの究極の「敵に塩を送る」大作戦!
- Company: Burger King
- Agency: David Buenos Aires
- Country: Argentina
毎回話題になる、バーガーキングのプロモーション。
今回はアルゼンチンの事例をご紹介したいと思います。
2017年の11月10日、
アルゼンチン国内にある107店舗のバーガーキングが、
ワッパーの販売を中止したそうです。
一体、何故だと思いますか?
「とにかく、マクドナルドに行ってほしいから。」
だそうです。
全く意味が分かりませんよね。笑
なぜ看板商品であるワッパーを販売せずに、
競合のマクドナルドに人を誘客する必要があるのでしょうか?
「今日はワッパーを販売しておりません。マクドナルドへ行ってください。」
と毅然な態度で対応する店員さん。
それを聞き、冗談かと思ったお客さんたちが、
猛烈にクレームを入れ始めている様子にドキドキしてしまいます。
そりゃそうですよね。笑 なんでワッパーを買いにきたのに、
「マクドナルドへ行け」なんて言われなきゃ行けないのか…
実はこの日、マクドナルドは
”ビッグマックのセールスの全てをチャリティーに寄付する”
というキャンペーンを展開していたのです。
それを知ったバーガーキングは、子どもたちの為に
最大のライバルであるマクドナルドに協力しようと、
ワッパーの販売を中止するという大決断をしたわけです。
バーガーキングのキャラクターである王様も、マクドナルドに来店。
ビッグマックを買って、このポーズです。
居合わせたマクドナルドのお客さんからは、あたたかい拍手を受け取ったようです。
なかなか勇気の必要なプロモーションですよね…
昨年紹介したの米のアウトドアブランドREIの事例もそうでしたが、
今の時代、ブランドが何を言うかよりも何を行うか、
というビヘイビアこそが消費者に見られていると思います。
そういう点では、宣伝部だけが
広告を司る時代は終わったのかもしれません。
経営判断に直結する、
太いコミュニケーションデザインを実現してみたいものです。
カーネル・サンダースが電波をシャットアウト!米ケンタッキーの謎過ぎる新商品発売
- Company: KFC
- Agency: Wieden & Kennedy, Portland
- Country: USA
米ケンタッキー(以降、KFC)が、
謎過ぎる商品を発売して話題になっています。
その名も、
「Internet Escape Pod」
(インターネット逃避シェルター)
「家族の楽しい休日を取り戻すために、
インターネットの電波を通さないシェルターを開発しました」
とのこと。
スチール製のドームの上に、
カーネル・サンダースが愛で包み込むように
優しい表情で鎮座しています。
取っ手は、チキンでできています。
出で立ちが最高にシュールすぎますね…
ちなみに価格は、なんと10,000ドル!!
本当は96,485ドルにしたかったけど、
今回は特別にサイバーマンデーなので
これでもお安くしましたとのこと。
一体誰が買うんだろうと思いつつ、
この馬鹿げた商品の発売はきちんとニュースになって、
話題になっているようです。
ご興味のある方は、ぜひ本国サイトからお申し込みあれ。
https://www.kfclimited.com/ProductDetail.aspx?did=28027&pid=235423
Facbook動画の殆どは音声ONで見られていない!?意表をつく、AMEXの大胆過ぎるプレゼントキャンペーン
- Company: American Express
- Agency: BBR Saatchi & Saatchi, Tel Aviv
- Country: Israel
イスラエルでガンズ・アンド・ローゼズのコンサートを
スポンサードしているAmerican Express。
そんな彼らが行った、Facebook上での
チケットのプレゼントキャンペーン
「THE VOICE SURPRISE」をご紹介します。
一見、Facebook上でキャンペーンを告知する
ただのWEB CMなのですが、
その手法があまりに大胆であると話題になっています。
コチラが、その動画。
「え、なにが??」
と思われると思います。
(そもそも言語が不明ですよね…)
ビデオの中で、こんなことが述べられていました。
「バンドリーダーの名前を書いてくれた先着50名に、
ガンズ・アンド・ローゼズの無料チケットをプレゼントします」
抽選ではなく、早いもの勝ちで絶対にもらえてしまうという、
なんとも大胆なキャンペーンなのです!
そもそも、90%のFacebookユーザーが、
音声をOFFのままにしているんだそうです。
そのユーザー特性の意表をついて、
プレゼントキャンペーンを行ったのでした。
「今後は絶対ボリュームオンにしておいてくれよな!」
そんな捨て台詞を吐いて、今後の同社のプロモーションに
ユーザーの注意を引きつけることに成功したのです。
非常にクレバーなアイデアだと思いました。
オンラインにしてもオフラインにしても、
ターゲットの行動特性の奥に、アイデアのヒントが沢山転がっていそうです。
実施費用は0円?オーストラリアのプールで行った、子供から親の目を離させない秀逸過ぎるアラート
- Company: LIWA Aquatics
- Agency: 303 MullenLowe, Perth
- Country: Australia
プールでの子供の溺死事件。
その主たる原因は、親が子供から目を離してしまうこと。
オーストラリアのNPO団体LIWA Aquaticsは、
そんな親の注意散漫から起きる、悲しい事件を未然に防ぐために、
とあるアイデアを実行しました。
Watch Around Water
(水の周りを見渡して)キャンペーンです。
LIWAは、プールサイドに必ずといってもいいほど存在する
無料WIFIサービスに目を付けました。
通常のパスワードといえばこんな感じですが…
それをこんな感じに。
「watch_me_not_ur_phone」(ケータイではなく私を見て)
子供からのメッセージになっているという訳です。
このメッセージは複数種類あるだけでなく、定期的に変更されるようで、
そのたびにリマインド効果があるようです。
プールサイドにはこのようなポスターも貼られました。
ついついスマホに夢中になって、注意散漫になりがちなプールサイド。
ありがちなWIFIパスコードを少し変えるだけで、
そのたび我が子のことを思い出す、秀逸な仕掛けになっています。
実施費用は、ほぼ0円です。(ポスターに多少かかるぐらいでしょうが…)
注意をそらすWIFIサービスの入り口に、
注意をそらさせないメッセージを置く。非常に合理的な考え方ですよね。
アイデアの強さが光る、ソーシャルグッドな事例でした。
食材を乗せてオーブンで焼くだけ、超簡単なIKEAの技ありクッキングペーパーレシピ
- Company: IKEA
- Agency: Leo Burnett, Tront
- Country: Canada
レシピサイトやレシピアプリが充実し、
料理をつくるには情報が必要十分以上な昨今ですが、
カナダのIKEAがとても秀逸なレシピ…でもある、
画期的なクッキングペーパーを開発したのでご紹介したいと思います。
その名も…
COCK THIS PAGE
(ページを料理しよう)
クッキングペーパーなんだけれどもレシピでもある。
そんな一見よくわからないCOOK THIS PAGEなのですが、
一体全体どういうものなのか。順を追って、ご説明しましょう。
クッキングペーパーに、食用インクでレシピが書かれています。
実は、このイラストがポイントです。
紙に書かれたイラストの上に、食材をこうやって乗せていくんです。
ただ置いていくだけで、それぞれが適切な量になっている、
というのが素晴らしいですよね。
(いちいち小さじとか計測しなくてすむ、というのはとても便利)
すると、こんな感じになります。
あとは、ぐるっと巻いてオーブンで焼くだけ。
すると、こんな感じであっという間に料理が完成!
カナダのIKEAで行われたキッチンイベントの期間中に
この商品を販売してみたところ、案の定飛ぶように売れたとのこと。
文字と写真、映像でHOW TOを説明するレシピはありましたが、
直感的に料理を促してくれるCOCK THIS PAGE。
ぜひ日本でも販売して欲しいですね。
信号に捕まったら即アウト!adidasが行った前代未聞のシティランイベント
- Company: adidas
- Agency: TBWA\HAKUHODO
- Country: Japan
都会の真ん中で行うランニングにとって、最大の敵は”信号”。
走っては止まって、走っては止まって。
その繰り返し運動だけで、体力を無駄に消耗してしまうと言われています。
adidasはシティランニングにフォーカスしたショップである
「アディダス ブランドコアストア 原宿」をオープンするにあたり、
そんな都会のランニングをより快適なものにするために
ある画期的なイベントを開催しました。
その名も…
GREEN LIGHT RUN TOKYO
です。
都内にある15,000基以上の信号の目をかいくぐって、
一度も止まらずに42.195kmを走破することがこのイベントの目的です。
しかし、一体どうやってそんなことを可能にしているのでしょうか。
ルート検索やナビゲーションなどのサービスを提供する
ナビタイム・ジャパン協力のもと、100基以上の信号や走行ルート、
安全性などを徹底的に検証してコースが作られているようです。
このランニングのルールは至ってシンプル。
信号に捕まること無く、ゴールまで無事たどり着けるか?ただそれだけです。
無事ゴールしたランナーは、
そのまま原宿のショップの記念すべき最初のお客さんとして迎えられたようです。
信号が変わらないようにペースをいかに維持できるか。
いつもとは違った緊張感で走れる、新感覚のランニングイベント
「GREEN LIGHT RUN TOKYO」。
ビッグデータを駆使して
エンターテイメント性のあるものに昇華している点はもちろん、
単純に走るだけだとなかなかしんどくなりがちなランニングを、
ゲーム感覚で楽しく取り組めるものにしている点も素晴らしいと思いました。
この作品、既にカンヌにおいてショートリストを連発していますが、
都会のランニングにおける社会課題(信号の多さ)に
企画の根っこがつながっているところも、
アワードレースにおいて有効に作用するのではないでしょうか。
東京だけではなくて、様々な国や地域に展開されていくようです。
横展開可能なフォーマットなだけに、更なる広がりを期待したいですね。
「商品は最大の広告」を体現する、ファンタのまるで絞り立て果汁のようなスクイズボトル
- Company: Coca-Cola
- Agency: DrinkWorks
- Country: United Kingdom
広告で、どれだけフレッシュな果物を使っているとか喧伝しても、
この情報飽和な時代において、その声はかき消されてしまいます。
いかに商品の魅力を広く、そして深く伝えるかが広告ですが、
その究極系は、商品そのものが広告としてワークすることではないでしょうか。
ロンドンのコカ・コーラが、ファンタのニューボトルをデザインしたのですが、
まさに「百聞は一見に如かず」なアイデア。
そのボトルを見ただけで、商品の魅力が伝わってくるものになっています。
完全にねじ曲がっております。
ロンドンのエージェンシーDrinkWorksが開発したこのボトルは、
約5年の月日が必要だったそうです。
「ドリンクボトルの開発プロセスは、非常に非常に制限的なんだ。」
と、Gregory Bentleyさんは語ります。
開発の工程では、若者たちのインサイトを探ろうと
数人が部屋に集められて、スケッチブックやオレンジなど用意されたようです。
若者たちのインサイトをベースに開発されたこのボトルは、
様々な困難を乗り越えて、今ではイギリス以外にも
イタリア、ポーランド、セルビア、フィンランドなどで販売されているようです。
日本にも上陸する日がやってくるのかもしれませんね。
商品(パッケージ)は最大の広告、を体現するすばらしい事例のご紹介でした。