チャンピオンズリーグのチケットを賭けた、ハイネケンのドッキリプロモーション2013
- Company: Heineken
- Agency: Unknown
- Country: Netherlands
オランダで行われたハイネケンのドッキリ型プロモーション。
ヨーロッパサッカー最大の祭典、「チャンピオンズリーグ(CL)」の
メインスポンサーを務めているハイネケンは、
毎年のようにこのCLをテーマにドッキリを行っているのですが、
今年の企画も極めて秀逸でした。
場所はとあるオランダの家具屋さん。
複数の監視カメラが仕込まれて、準備万端です。
そこに置かれているのは、サッカーの試合で良く見る
「赤いプラスチックのベンチ」です。
通常は、15人くらい座れる椅子なのですが、
ここでは特別仕様のカップルシートになっています。
まー誰が見ても欲しがらなさそうな「イケてない家具」なのですが、
今回はこれを使って、ドッキリが始まるようです。
まず、仕掛人の男性が登場。ルールの説明を受けます。
なんと、この赤いベンチを購入する許諾が彼女から取れれば、
チャンピオンズリーグ決勝戦のチケットを入手できるとのこと。
それを聞いてテンションの上がる仕掛人。
何も知らない彼女をうまく口説き落とせるのか?
戦いの火ぶたが切って落とされました。
すぐに勝負が決まってしまうのでは?
と思いましたが、どうやら心配無用のようです。
「No!!!」
「バカなんじゃないの?どこに置くのよ、こんなの。」
「こんな悪趣味なの、絶対いらない!!」
見事に断られ続ける、男性チャレンジャーたち。
やはり財布を握る女性強しです。
こんな無用の長物、買ってもらうのは至難の業です。
何人ものチャレンジャーたちが次々とマットに沈んでいったわけですが、
なんと、ついに彼女から許諾を得ることに成功した男性が現れました。
すると、後ろにあったテレビがついて、
「CHAMPION」というテロップが表示されます。
そして、とある謎の番組がスタート。
なんと交渉の一部始終が録画されており、
キャスターらしき人によって懇切丁寧に解説されてしまうのでした。
ドッキリに巻き込まれていたことを知ると、
思わず苦笑いする彼女。
そりゃそうですよね。
見事、チャンピオンズリーグのチケットを入手し、
大喜びするカップルなのでした。
この一連のビデオを、おそらくPRの素材にして、
テレビに露出させていくようなプロモーションだったのではないかと思います。
去年からの潮流を組んでいるのだと感じていますが、
一発撮り映像で作り出す、”作られた感のない”ファクトに
主眼を置いた作品は、昨今かなり多い印象があります。
日本では、肖像権の問題等でなかなかそういった事例は見受けられませんが、
今までの”作られた”広告に対して、消費者がいかに冷めた目線で見ているか、
ということの裏返しだったりするのかなと考えていたりします。