難民選手団の為に作られた”結束の旗”が、ONE SHOW2017で最高賞を受賞
- Company: Refugee Nation
- Agency: Ogilvy, New York
- Country: USA
2016年のリオデジャネイロオリンピックで話題になった、
「難民選手団」のことを皆さんは覚えていらっしゃるでしょうか。
10人の多国籍なメンバーがいるこの選手団は、
文字通り”難民”で構成されています。
様々な事情があって母国に住むことができず、
第三国に住むことを余儀なくされながらも、
その卓越した能力でオリンピックの出場を勝ち取ったメンバーたち。
Tonight, the first-ever #TeamRefugees will also stand before the world and prove that you can succeed no matter where you're from.
— President Obama (@POTUS44) August 5, 2016
当時大統領だったオバマ氏が、
「今夜、初の難民選手団が現れる。彼らが、
どこから参加しようとも成功できるのだということを、世界に証明するだろう。」
と力強くTweetしたことでも話題になりました。
そんな彼らを支援する為に、Ogilvy New Yorkは
非営利団体「THE REFUGEE NATION」と結託して、
”結束の旗”をつくることにしました。
それがこちらです。
アムステルダム在住の難民ヨラ・サイード氏がデザインしたこの旗は、
難民を象徴するライフジャケットをリサイクルして作られました。
真ん中の一本線は”結束”を意味し、
難民たちがこの旗のもとでひとつになれることを意図しています。
「この旗は、難民選手団の認知を飛躍的に上げ、ポジティブな会話を
生み出すだろう。また、難民に対する差別と戦うためのものだ。」
と、Ogilvy New Yorkは語ります。
また、2017年度の最高賞を与えたONE SHOWのCEOは、次のように述べました。
「政治の不一致や激動の社会において、私たちはどうしたらよいか。
この事例は我々の業界にとって、貴重なエグザンプルとなるだろう。」
孤独な難民選手団、そして難民をつなぐ”結束の旗”は世界中に広がり、
様々な国際イベントなどで活用されています。
あの有名なMOMA(ニューヨーク近代美術館)にも展示されているようです。
この仕事、もはや”広告”ではないですよね。
作ったのは旗のデザインだけですが、
世界に与えた影響の大きさは計り知れないものがあります。
最上級のコミュニケーションデザインと言えるのではないでしょうか。
世界を、そして人間を一歩前進させた素晴らしい仕事ですね。
感服せずにはいられません。納得の最高賞受賞作品のご紹介でした。